昨日ベッドに横たわりそのまま寝てしまい、今朝は7時過ぎの起床となった。
結構寝た感があるのでやはり疲れがたまっていたのだろう。
今日はマドリードから南に約70キロ、電車で片道約30分の街、トレドへ日帰りで行く予定。
『街全体が博物館』とまで言われるトレドはタホ川に囲まれ、
旧市街全域が『古都トレド』として世界遺産に登録されている。
古代ローマ時代から約2000年にもわたる文明の痕跡を残していて、
ユダヤ、キリスト、イスラムによる異文化の混合が建築に示されている事が評価されたらしい。
ちなみに同じく日本の古都である奈良市とは姉妹都市関係にあるらしいよ。
▼前回の記事
9時20分の電車に乗るため、8時45分には宿を出た。
もちろん、大きな荷物は宿に預けてだ。
アトーチャ駅に入ると、何やら空港のような荷物検査をする場所があった。
ここを通過しないと電車に乗り込めない。
結構厳重だなあと思ったが、実際ポケットに物を入れたまま通れたし、金属探知機のゲートを通るわけでもなく意外と緩い警備体制だった。
こんなんでいいのか?
見掛け倒しの荷物検査を通過し、トレド行きの案内表示を見つけここでチケットを見せていざ電車へ。
チケットは昨日事前にここアトーチャ駅で購入済み。
往復1人20.6ユーロ(約2387円)。
▼詳細はこちらearthtravel.hatenablog.com
車両と座席が決まっているので、チケットを見て決められた車両の座席に座ることになる。
電車内はこんな感じ。
座席も広々していてトイレもついている。
まさに日本の新幹線のようなものだ。
9時20分の定刻通り電車は発車し、ものの30分で終点のトレド駅に到着した。
ちなみに電車内にWi-Fiは飛んでいなかった。
トレド駅は外観、内観ともに小洒落た感じがあった。
トレド駅周辺はそれほど賑わってなく、どちらかというと閑散としていた。
とりあえず人の流れについていった。
トレド駅を出て右にずっと進むとこのようなバス停がある。
トレド駅からトレド旧市街間は5番か6番のバスが運行している。
ネット情報によると、このバスは10分〜20分くらいの感覚で運行しているらしい。
バスの運賃は1人1.4ユーロ(約162円)。
バス内は混雑して席に座れなかった。
バスからも旧都トレドの町を眺められた。
川に囲まれ、丘のようになっていて、まるで要塞都市のように見える。
このゴッつい入り口(ビサグラ門)からトレド旧市街へと入っていく。
門をくぐりしばらく坂を上がると、右手に広場が見えてくる。
ソコドベール広場といい、トレドの中心的広場である。
バスはその広場付近で停車し、皆ここでバスを降りた。
我々も人の流れに合わせここでバスを降りた。
トレド駅からは約10分ほどでの到着だった。
ソコドベール広場にはソコトレインという汽車風の観光バスが停車しており、
トレドの街を見下ろせる展望台まで連れて行ってくれるらしい。
チケットはソコドベール広場で購入できるらしく、
値段は1人5.1ユーロ(約591円)。
日本語のイヤホンガイドもあるらしい。
でも我々はソコトレインに乗る気はない。
とりあえずソコドベール広場から道を挟んで正面にあるインフォメーションセンターへ行き無料観光マップを入手。
マップを渡されるだけではなく、簡単な見所や周り方案内もしてくれてとても親切だった。
まず向かったのはトレド大聖堂。
サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂というらしく、
1226年にフェルナンド3世の頃着工が始まり、完成したのは267年後の1493年。
スペイン最大級の大聖堂(カテドラル)で、高さは92メートルあるという。
同じくスペインのセビリア大聖堂の高さ96メートルに次ぎ、スペイン第2位の規模らしい。
中に入るのは有料で、確か8ユーロ(約927円)と書いてあったと思う。
しかし正面ではなく違う方面の入り口からは無料で中の様子を見学できた。
本当にごく一部を見れるだけなので、ガッツリ見学したい人はチケットを買わなければならないだろう。
トレド大聖堂の外観はこんな感じ。
確かに大きい。
次に向かったのがエル・グレコ美術館。
ギリシャのクレタ島出身の画家であるエル・グレコが最終的に住み着いたのがここトレドだという。
そんなグレコ美術館には14時以降なら無料で入館できる。
インフォメーションでその情報を聞いたのだが、
こちらのリスニング能力の問題で14時まで無料と勘違いしてしまっていた。
この時まだ11時を過ぎたところ。
なので当然この時行ってもお金がかる。
受付の人に、
『無料じゃないんですか?』と聞くと
『今は無料じゃない。14時以降が無料です。』
とちょっと小声で言われた。
確かに、知らないのか知っていてなのかはわからないが、受付にはこの有料の時間帯で入館しようとお金を払っている人がいた。
そりゃ小声になるわな。。
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気を取り直してグレコ博物館からそう遠くないサント・トメ教会へ向かった。
ここにはグレコの最高傑作と言われる『オルガス伯の埋葬』という絵画が所蔵されている。
そのため教会自体は非常に小さいのだが、この絵を一目見るためだけにたくさんの人が教会前に並ぶ。
しかも教会へ入るためには2.5ユーロ(約289円)かかる。
中は撮影禁止だったため絵画の写真は撮れなかったが、
ネット上でいくらでもその絵画がどんなものなのか見ることができる。
『オルガス伯の埋葬』で調べれば一発で出てくるだろう。
教会内は本当に小さく、入ってすぐにこの絵があって、そのまますぐに出口という感じ。
想像以上の小ささに唖然としてしまった。
これで2.5ユーロもとるのか、、と。。
教会を出たらお腹がすいてきたので、適当に安そうな店で食事をした。
パンとジュースとコーヒーがセットで3.9ユーロ(約452円)というお得感のある店へ潜入。
これはバレンシアで3泊したアパートの目の前にあったカフェのメニューと似たようなスタイルだ。
スペインではこういうスタイルがよくあるのか?
昼12時までというこのメニュー。まるで日本のモーニングだ。
フランスパンに生ハムがのったものが2枚と、
アメリカンコーヒーにミニッツメイドのピーチジュース。
おまけ的な存在でチョコレートも1粒付いていた。
パッと見量はそんなにないのだが、いろいろ付いているとお得感があり不思議と腹もそこそこ膨れた。
ところでここの店でWi-Fiパスを聞くと快く教えてくれたのはいいのだが、
『est』の後の文字がどうしても解読できず結局Wi-Fiにつながることができなかった。
教えてくれたお姉さんに聞くこともできたのだが、あえて自力で解読しようとしたけど無理だった。。
少し早めの昼食を済ませた後は、トレドの街並みを一望できるという展望台へ向かうことに。
展望台はスペイン語で『ミラドール』。
まず、展望台までは前述した汽車型観光バスか、普通の市内バスで向かうことになる。
我々はもちろん料金の安い市内バスを選択した。
バスは、ソコドベール広場の前の道を南に少し下ったところのMuseo del Ejército という博物館の目の前に停まる。
ちゃんとバス停になっているのでわかりやすかった。
バス番号は、7.1(バスには71と表記されていた)。
目的地は終点1個前のC.Circunvalacion(Parador) というところ。
所要時間は約10分ほどで、料金は1人1.4ユーロ(約162円)。
市内バスは一律この値段である。
この7.1番バスは1時間に1本で、毎時45分にMuseo del Ejército 前のバス停に停まる。
意外と時間ぴったしに運行されていた。
どこで降りるかソワソワしながら乗っていた我々だが、急に運転手さんがバスを止めて何か叫び出した。
どうやら『Parador(パラドール)!』と我々に教えてくれているらしい。
運転手さんには何も言っていないのに、運転手さんは我々がどこで降りたいのかをわかっていたようだ。
まぁ、観光客がこのバスに乗るということは展望台しかないのだろう。
しかし下されたところはこんなバス停も何もない坂道のど真ん中。
運転手さん曰く、
『そこのとこを左に曲がってシュッて行け。』
的なことをジェスチャーと擬音語だけで説明してくれた。
でもそれだけでも十分な情報だった。
言われた通り少し行くとパラドールホテルの看板が。
展望台はホテルの近くという情報を持っていたので、ホテルの方向へシュッと向かった。
しかしホテルはすぐ見つかるも、肝心の展望台がある気配が全くない。
少し諦め気味でホテルのフロントへ行き『展望台はどこですか?』と聞くと、
少し食い気味『そこだ。』で教えてくれた。
指差してくれた先にはホテルの展望テラスがあった。
しかもけっこう良いとこそうなホテルで、テラスにはカフェもある。
”え?いいの?”
と思いながらもテラスに出てみた。
カフェのパラソルテーブルと人越しに広がるトレドの街並みが見えたときには、
思わず ”すげー” と息を飲んだ。
カフェテラスの横には展望のためのスペースが広めに用意されていたが、この時そこに人はおらず貸切状態。
ラッキーだった。
テラスの少し下には、本来見所として紹介されているであろう展望台もあった。
そこには前述の汽車型観光バスが停まっていた。
”もしかしてこのホテルのテラス、超穴場なんじゃね?”
そんなことを思いながら、気分高めでトレドの町を見下ろしていた。
トレドの町を包囲するように流れているタホ川も良く見える。
まさに自然が生んだ天然要塞地形だった。
トレドの街並みは、言ってしまえばちょっと地味だ。
今まで見てきたヨーロッパの街並みは屋根が赤いことがほとんどだったため、
どことなくカラフルに、そして鮮やかに見えることが多かったのだが、ここは違う。
肉と揚げ物しか入っていない弁当のように街は茶色を主としていた。
ホテルのロビーにはイエス(キリスト)と12人の使徒の絵画がズラーッと飾られていた。
そしてホテルのWi-Fiがパスワードなしで繋がってしまっため、しばらくロビーでゆっくりとくつろぐことに。
行きに着いた時間が13時くらいだったので、次にバスが来るのは1時間後の14時ぐらいだろうと予想。
14時少し前にさっき下された場所でバスを待つ。
バスは決められたルートをぐるぐると回っているだけなので、行きに降りたところの反対車線で待つ必要はない。
それに降りた場所の方が確実にバスが止まるところだとわかっているので安心だ。
バスは予想通り、14時にここへ来た。
当然なのだろうが、運転手も行きと同じ人だった。
行きに購入したチケットを見せ、『これでいい?』とダメ元で聞くと、やはりダメだと笑いながら言われた。
”そりゃそうだよな。ははは。”
と思いながら、またチケットを1.4ユーロで買いバスに乗り込んだ。
帰りのバスはホテルのテラスから見下ろせたあの展望台も通過した。
街がさらに至近距離になるこの辺りの景色も悪いものではなかった。
時間とお金に余裕があれば、ホテルのテラスと合わせて両方行ってもいいな、と思えた。
バスで街の中までは戻らず、橋の目の前で下車をした。
うまく見えればそれなりに綺麗だったのだろうが、植物が邪魔。
橋を渡り反対方向から見たらこんな感じ。
14時も過ぎている頃だったので、無料解禁になっているはずのエル・グレコ美術館へとでも行くか。
この時の暑さは半端なく、少し日本に似たじめっとした感もあった。
たまらず水分を探しながら歩くも、
水500ml1ユーロ(約115円)やアクエリアス500ml2ユーロ(約230円)など観光地ならではの高値が続く。。
ついには、こうして店を回りながら歩いているうちにエル・グレコ美術館に到着してしまった。
さすがに水分なしはキツイと思い、
美術館前のお土産屋さんでアクエリアス500mlを1.5ユーロ(約173円)で購入した。
キンキンに冷やされていたアクエリアスは私の喉を一気に潤した。
美術館内にはイエス(キリスト)と12人の使徒の絵画がズラーッと展示されていた。
なるほど、先ほどのホテルのロビーに飾ってあったのはこれだったのか。
これがイエス・キリスト様。
たぶん裏切りのユダ。
館内では簡単なグレコ紹介映画も放映されていた。
これで無料というのがいい。いい暇つぶしになった。
その後は再びトレドの街を歩き、
スペインで良く見かけるALE-HOPという雑貨屋でサングラスを7ユーロ(約810円)で購入。
タイのプーケットで波に飲まれて以来サングラス無し状態だった私。
どうせ新しいものを買うならコンパクトに折りたためるやつを、と、密かに探していた。
しかし今までなかなかそのようなものが見つからず、今回偶然寄ったALE-HOPにはそれがあった。
旅を始めてから約90%はメガネをかける日となっている私にとって、果たしてこのサングラスは役に立つのか?
というささやかな疑問を残しながらも、
7ユーロならそこまで高い値段ではないと判断し今回の購入を決めた。
ソコドベール広場に戻ってきたら小腹がすいてきていたので、どこかでコーヒーブレイクをすることに。
何件か見回った結果、広場にあるマクドナルドへ。
私はカプチーノ1ユーロ(約115円)とチキンマックバイツというチキンナゲットの小さい版みたいなのを1ユーロ(約115円)で購入。
チキンマックバイツは想像以上に小さかった。。
今回(やっと)気づいたのは、
街でコーヒーブレイクする時にその辺のカフェに入るよりマックで済ませたほうがコスパがかなり良いということ。
その辺のカフェだと1杯2ユーロ前後はしそうなコーヒーも、マックなら大体1ユーロで売られていてそれなりに量もある。
その時の状況にもよるが、
高めの料金で雰囲気がいいところよりも、マックで安くコーヒーを飲む方が今の私にとってはいい。
それにヨーロッパではほとんどの店で外の席(テラス席)が用意されているので、
そこで飲めばマックだろうがどこだろうが大抵雰囲気はいい。
今まではマックを毛嫌いしていてマックに入ろうという発想がなかった私だが、
コーヒーブレイクだけならマックをうまく活用するのも悪くないな、と今回思った。
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Wi-Fiのつながるマックで適度に休憩を取り、
帰りの電車が18時25分のためそれに間に合うよう17時40分頃にはバスへと向かった。
トレドの街から駅へは5番か6番のバス。
展望台へ行く時と同じバス停で待っていたら、5番のバスが我々を無視して先へ進んでいってしまうではないか。。
”おい待て!”
と小走りでバスを追いかけたら、バスはソコドベール広場の目の前で停車した。
どうやら駅行きのバスはここに停車するらしい。
バスに乗り込み約10分。
無事に時間通りトレド駅に戻ることができた。
ここの駅でも荷物検査と身体検査を実施していた。
たぶんこの列車に乗るときは必須なのだろう。
テロとかあるもんね。
帰りもこの新幹線みたいな電車。
電車からの景色は特に見ごたえのあるものではなく、基本的にこのような緑の大地が続いた。
マドリードの宿に戻り荷物を持ったら、早速次の宿へ移動を開始。
次の宿は地下鉄で1駅のSol駅(ソル駅)の近くにあった。
Sol駅を出るとたくさんの人で賑わっている大きな広場に出た。
”なんか見覚えがあるなぁ。。?”
と思ったら、5年前にスペインを訪れた時もここに立ち寄っていることを思い出す。
”確かあの時は変なミッキーとかの着ぐるみが歩き回っていたなぁ、、”
なんて回想していると、頼みもしないのに早速やつは我々の目の前に現れた。
出ました偽ミッキー。
ズームで写真を撮ったらお金を要求される。
この中身の人は5年前と変わらない人なのだろうか。。?
そんなミッキーを尻目に、ソル広場から徒歩5分ほどで今回の宿にたどり着いた。
宿の名前は、FUN SLEEP(ファンスリープ)。
ドミトリータイプの部屋でキッチンと朝食付き。
設備もなかなか綺麗だった。
これで1泊1人1767円。まぁまぁリーズナブルかな。
そして今回この男女混合ドミにはなぜか女性しかいなかった。
珍しい。。
オーナーが別の場所にいるため、私は宿の電話でオーナーと話をし、簡単な説明を受けた。
しかし電話の音質に加えスペイン語なまりの発音も影響し、肝心なところがうまく聞き取れない。
結局部屋にいたスペイン人の若い娘に電話を代わり鍵の隠し場所を通訳で教えてもらった。
荷物を置いたら私は早速近くのスーパーへ買い物へ出かけた。
そこで桃2つを0.59ユーロ(約68円)、
トマトを0.28ユーロ(約32円)、
豚肉450gを1.69ユーロ(約195円)、
水1.5リットルを0.57ユーロ(約66円)
を購入。
今夜の献立はしょうゆ味のペペロンチーノ。
写真右にある肉は明日の昼飯用にアルミホイルで包んでおいた。
その後シャワーを浴び、0時前には就寝。
明日はスペインを出ていよいよ
ユーラシア大陸最西端の国ポルトガルを目指します