今日は朝5時30分起床。
8時30分にトロントからデトロイトへ行くグレイハウンドバスに乗るため、
朝7時には宿を出た。
ちなみにトロントは朝7時でこの暗さである。
▼前回の記事(カナダ、ナイアガラの滝)
▼あわせて読みたい(イギリス陸路入国審査)
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
バンクーバー同様、ここトロントでも韓国スーパーで購入した白菜を大量に余らすというミスを犯してしまった。
バンクーバーの時はもらってくれる友達がいたが、
残念ながらトロントでは欲しいという人がいなかったのでそれはそのまま公園のゴミ箱へ投げ込まれる結果となってしまった。
非常にもったいない。。
こりゃ長期滞在で毎日自炊する見込みがない限り白菜は買っちゃダメだな。
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地下鉄に乗り、ダンダス駅下車。
ダンダスストリートとベイストリートの交差点付近にグレイハウンドやメガバスなどのバスターミナルはある。
▼グレイハウンドやメガバスのターミナルの場所
まずは受付へ行きオンライン予約しておいたチケットを発行してもらい、
8時30分の出発までここで待機する。
料金は1人5807円。
ヨーロッパ滞在中、FLIX BUSで長距離移動していた時のことを考えると少々高く感じる。
それでも、
グレイハウンドは早めに予約をしたりして割引を適用させると超破格の値段でチケットを購入できることがある。
私は過去にアメリカのワシントン=ピッツバーグ間をわずか2ドル(税込)で駆け抜けたことがある。
残念ながら今回はギリギリの予約だったこともあり、そのような破格な値段を発見することはできなかった。
8時過ぎごろ。
外に出てみると、デトロイト行きのバス乗り場に行列ができていたので我々もそこに並んだ。
しばらくしてスタッフが近づいてきて我々の行き先を確認すると、
『こっちよっ』と言って行列を抜けてバスの中へ入るよう案内してくれた。
どうやらこの行列は別のバスを待つ行列だったらしい。
まったく紛らわしい並び方をする人たちだ。
グレイハウンドのバスには無料のWi-Fiが飛んでいるので、
デトロイトまで約6時間弱の車内もそんなに退屈しない。
途中で何回か休憩を挟み、バスは着実にアメリカへと近づいていく。
それはつまり、アメリカの入国審査の時間が刻一刻と近づいているということになる。
世界トップレベルで厳しいと言われるアメリカの入国審査。
まったく、面倒くさいったりゃありゃしない。
しかし、
同じく厳しいことで有名なイギリスの入国審査を陸路で難なく通過したという経験もあり、
”アメリカも陸路なら余裕で通過できるのではないか?”
と少し甘く見ていた部分もある。
一応、イギリス入国の時と同様何を聞かれてもつじつまが合うように架空の旅程は作っておいた。
捨てチケットも購入してあるし、何も問題はないはず。
そう自分に言い聞かせ、
アメリカ入国審査についてはあまり深く考えないようにしてバスに揺られていた。
バスに揺られること約6時間。
カナダとアメリカの国境にある入国審査所へとたどり着いた。
結論を先に言ってしまうと、
我々の甘い予想はことごとく外れ、質問攻めの全くもって面倒くさい入国審査となった。。
思い返せば私は過去に3度アメリカ本土へ入国しているのだが、
いずれもすんなりと入国できた覚えがない。。
まず聞かれたのは『2人はどうやって知り合ったの?』という質問。
これはカナダ入国時にアジア系の優しい審査官が冗談半分で聞いてきた質問と同じもの。
しかし今回の金髪白人中年女性審査官はいたって真面目な表情。
腰にしまわれた拳銃がしっかりと我々の位置からも確認でき、それが緊張感を一層と高めてくれる。
この時初めて、カナダの審査官が冗談ではなく至って真面目な質問をしていたことに気付いた。
その後も、
『職業は?』
『お金はいくら所持しているの?』
『アメリカでの滞在日数は?』
『アメリカの次はどこへ行くの?』
『そこへ行くチケットは持っているの?』
『いつ日本へ帰るの?』
などなど、
こうして並べてみるとごく普通の質問ばかりなのだが、
あの雰囲気で、しかもネイティブイングリッシュでのやりとりとなると、
これらの質問はジャブのように私をじわじわと苦しめていく。
"次は何を聞かれるんだ、、、"
と、まるで嘘発見器にでもかけられたかのように私の精神は張り詰めっぱなしの状態だった。
そんなジャブの嵐の中、
『アメリカでの連絡先は?』
という質問に私がおじさんの家を挙げると、審査官はそれに食いつきおじさんの個人情報を興味津々に聞いてきた。
面倒くさくなった私はiPhoneの連絡先に入っているおじさんの名前、住所、電話番号などの情報を審査官に直接見せた。
すると審査官はすかさずペンと紙を取り出しその情報を事細かにメモ。
その様子からも、アメリカの入国審査の厳しさがひしひしと伝わって来る。
さらに『エスタは持っているか?』という質問に対し自信満々に『もちろん。』と答えると、
『今回はエスタとはまた違うのよ。』と言いわれ何故か6ドル(約618円)を請求してきた。
後で調べてみると、
エスタが必要なのは海路か空路でのアメリカ入国時のみで、陸路になるとまた話が違うらしい。
なのでこの6ドルというのはエスタにかわる陸路でのドキュメントをつくる手数料ということになる。
『いいかい。このドキュメントをパスポートに貼っておくから、フロリダの空港でこの部分をちぎってその時の審査官に渡すのよ。』
我々は捨てチケットとしてフロリダ発コスタリカ行きの航空券を1人6887円で購入していた。
この時、コスタリカへ行く気などさらさらなかったが、私はとりあえず『はい。』と答えておいた。
審査も終盤を迎えようという頃、
よく見るとそのドキュメントに記された私の名字が2度繰り返しで印刷されていることに気づいた。(例:YAMADAYAMADA KATSUMI)。
審査官に訂正を求めると、”あーごめんごめん”、といった感じでボールペンでちょこちょこっと訂正しただけだった。
”え、新しく刷り直さねぇのかよ。。”
こんなに厳しい審査をしておいて、
その重要と思われるドキュメントに関してはこんなにテキトーでいいのか?
と少し納得がいかなかった。
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何はともあれ、なんとか入国が許可された頃には、他の乗客はもうとっくにバスに乗り込んでいた。
”待たせてすまないな。恨むなら質問攻めをしてきた審査官を恨んでくれよ。”
そう思いながら席に着くと、国境の人が運転手と何やらやりとりしていることに気づく。
『誰かこのiPhoneを忘れたものはいないか?』
運転手が乗客に向け大声でそういうと、そこには画面がバキバキに割れた裸のiPhone6ホワイトが掲げられていた。
普段携帯をなくすなどという行為をほとんどしない私は、
初めのうちはまさか自分のだとは思わずにぼんやりとそれを眺めていた。
しかし前述した特徴からそれは紛れもなく私のiPhoneだと一拍置いてから気付いた。
”そうか、おじさんの情報を提示した時だ。”
『ごめんなさい。それ、私のです。』
私は申し訳なさそうに運転手からiPhoneを受け取った。
私に携帯を忘れさすほど、アメリカの入国審査は私を苦しめていたということか。
それにしてもあの金髪白人中年女性審査官め、
人のものを返しもせずにカウンターに置きっぱなしにするとは。。
とにかく、無事にアメリカ入国を許された我々はバスの中でホッと胸をなでおろした。
しかしデトロイトはカナダと国境を交える都市。
ゆっくりと息をつく暇もなく、越境したバスはすぐにデトロイトのバスターミナルに到着してしまった。
〜後半へ続く〜(デトロイト観光)
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