現在、アメリカ本土最南端の町キーウェストを観光中。
14時すぎ。
5ドルピザを食べたら眠くなってしまったので、そのまま車で仮眠を取っていた。
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▼アメリカ横断まとめ【完全版】
気がついたら時刻はもう17時すぎ。
ちょっと仮眠を取るだけのつもりが、3時間も眠ってしまったようだ。。
さすがに2度寝することはなく車から降り、本日2度目のキーウェスト散策へ出かけた。
昨日駐車場がなくて断念したマロリー・スクエアからの夕日を観に行こう。
日が沈む前に目が覚めてよかった。
駐車場を出て、早速マロリー・スクエアの方へ歩いていく。
途中お土産やさんがあったので寄ってみた。
0マイル標識や最南端ポイントな、ど魅力的なグッズがたくさんあった。
しかし荷物が重くなり財布が軽くなることを避けるべく、ここは購買意欲をグッと抑えてウィンドウショッピングに徹した。
おみやげ屋さんを出たら港の雰囲気を見学し、
マロリー・スクエア方面へ歩を進める。
太陽がいい感じに傾いてきていて、もうこの時点で綺麗だ。
マロリー・スクエアでは露店や大道芸人たちで賑わっていた。
こんなマッサージ屋さんも存在した。
このおっさんも、よくこんなとこでマッサージを受けようと思ったな。
一際人だかりを作っていたのはこの若き大道芸人。
この人は大きな声でゆっくりとはっきり言葉を喋るので、
私のつたない英語リスニング能力でも言っていることの少なくとも半分以上は理解することができた。
周囲と同じタイミングで自然に笑うことができるのは非常に気持ちがいい。
私は意味がわかることに上機嫌になったのか、
普段より気持ち大きめな笑い声を出し、自分は英語がわかっているよアピールをした。
いざパフォーマーと目が合いそうになると英語でいじられることを避け、サッと目をそらすのだが。。。
そういえば彼は小さな頃からこのマロリー・スクエアで大道芸をしていて、
今では大道芸1本で世界を渡り歩いていると言っていた。
大道芸は自分の仕事で、大変誇りに思っていると。
彼の生い立ちと仕事に対する姿勢にリスペクトを感じた。
18時30分。
大道芸を見終えた後はいよいよ夕日ポイントへ。
ポイントといっても、この辺りの海辺ならどこからでも夕日は観れる。
しかし海沿いにはすでにたくさんの夕日見物客で埋め尽くされている。
仕方なく後方の花壇みたいなところに登って夕日を見物した。
相方がその上で立ち上がって写真を撮っていると、スタッフ的な人が現れ、
『そこで立ちあがっちゃダメよ!』と注意をしてきた。
仕方がないので海沿いへ戻り、なるべく背の低い人たちを探してその後ろから夕日を眺めた。
こういう時、お互い背が高くて良かったと思う。
背の低い人たちの後ろから夕日を眺めていたら、運良くその人たちがその場を離れた。
ギリシャのサントリーニ島の時のように、完全に水平線に沈んでいく夕日は美しい。
日が完全に沈んだ瞬間、鳥の群れが目の前の空を横切った。
その時近くにいた人が放った
『ヘイ!鳥がサヨナラを言いに来たぜ!』という言葉は、
なかなかの名言として未だに私の心の中に残っている。
19時前には日は完全に沈み、皆またそれぞれの方向に散らばって行った。
我々もテキトーに流れについて行ったのだが、
その時非常に趣味の悪いコスプレをしているおばさん軍団を見かけた。
実は今日の日中からちょいちょいこのようなコスプレの人たちを見かけてはいた。
”日本にもたまにいるごく一部のパーティーピーポーが昼間っからはしゃいでるんだな”
と思っていたが、その数は日が沈むにつれだんだん増え始めていた。。
”キーウェストにはきちがいがたくさんいるんだな。”
この時の私ははまだその程度にしか思っていなかった。
テキトーにぶらつき、メイン通りから一本外れた通りにあったベンチに腰掛けて一息ついた。
そこで休んでるとおよそ50〜60代くらいの夫婦が話しかけてきた。
その二人の性格は真逆で、
夫人の方は裏にあった帽子屋さんで帽子を物色し、
気に入ったものを見つけるたびにこちらにそれを見せびらかし、似合うかどうかを問うてくる。
夫の方はまるで面接官のような眼差しで質問攻めをしてきて、
我々はそれに頑張って答える、という感じ。
そんな中夫が、
『キーウェストにはいつまでいるんだ?』と問うてきた。
『今日か、長くても明日までだよ。』
そう答えると、2人とも驚いたような反応を見せこう言った。
『今週末にはデゥヴァル・ストリートで盛大なハロウィーンパレードが行われるんだぞ。
それ前にキーウェストを離れちゃうなんて、君たち非常にもったいないぞ。』
『そうなの?』
確かにそのパレードは魅力的。
でもいくらゆとりが日程に余裕があるからといって、
あと3日もキーウェストに滞在するなんて、それはそれでもったいない気もする。
キーウェストは歩いているだけで楽しい町だが、小さな島なのでそれほど多くの見どころがあるわけではない。
私がその気持ちをモゴモゴと喋っていると、夫の方が
『パレードは3日後だが、祭り自体は1週間続くもので今日もその期間に属されるよ。』
ということを教えてくれた。
それを聞き、
”ならば今日の祭りの雰囲気を味わうだけでよしとしよう。”
と、思い揺らいでいた予定を元に戻した。
その後もしばらく歯車が全く噛み合わない夫婦と会話をし、
彼らはATMへ行くと言ってデュヴァル・ストリートの方へ消えていった。
『只今アメリカ横断中です!』ということを話したが、
『うちの近くを通ったら是非寄ってくれたまえ。』
という嬉しい申し出は今回もなかった。。
20時。
先ほどの夫婦が教えてくれた祭とやらを見に行くため重い腰を上げた。
ATMでお金をおろしている最中だった先ほどの夫婦の姿を横目に、デュヴァル・ストリートを歩く。
すると突然目の前に今まで見たことないような奇妙な光景が現れた。
町はさながら渋谷のハロウィンのように、コスプレイヤーたちで溢れかえっている。
しかし、渋谷の人々のコスプレとはちょっと様子が違う。。
可愛らしく、キャラクターやゾンビなどに仮装することが多い日本に対し、
本場アメリカでの仮装は露出が目立つただの変態。
レイザーラモンなど余裕で凌ぐような変態衣装を身につけた人々が、町中、
いやアメリカ中から一堂に会する。
さらに驚くべきは、このような仮装をするのは若者だけでなく、
我々のお父さんお母さんと同じくらいの年齢層のおっさんおばさんたちまでもが、
そのシワシワに垂れ下がった身体を見せつけこの変態仮装を楽しんでいるのだ。
もはや『露出卿の集会』としか思えないこのクレイジーフェス。
そのごく一部をとくとご覧あれ↓↓
じいさんばあさんも仲良く露出を楽しむ。
じいさんのお尻と頭にはぽっかりと日焼けの跡が浮き上がっている。
すべての人はカメラを向けると喜んでポーズを取ってくれる。
チップなどは不要。
ただ目立ちたいだけの彼らにとって、
カメラを向けられるということはこの最上級の喜びなのだ。
メキシコのハロウィーン(死者の日)ではカボチャではなくスカルがその象徴的存在。
地理的にメキシコが近いキーウェストでもそのスカルコスチュームは健在。
キーウェストのコスプレの過激さは全米でも有名らしく、
もはやちょっとやそっとのコスプレでは見向きもされない。
そんな中、最近流行っているのがボディペイントらしい。
*写真で載せれるのはほんの一部。
さらに過激なコスプレをした人がまだまだいた。
ある通りには特に人が密集していた。
酒を片手にお互いのコスプレを称え合い、写真撮影と会話を楽しんでいる。
完全に道路を通行止めにしていて、警察官も警戒態勢だ。
親子での参加か?
お母さんの方はまるで紐で縛られたハムだな。
モスラみたいな奴が現れた。
この祭りにレディー・ガガが紛れ込んでいても、おそらく誰も気がつかないだろう。。
一番賑わっている部分を一通り歩き、一度は駐車場へ戻ろうとした。
しかしこのような面白い光景をもう少し見ていたい、という欲求が出てきたので、
このメイン通りをもう一往復だけ歩くことに。
そのくらいぶっ飛んだフェスだったのだ。
その際私はCVSで昼にも購入した『ARIZONA』というジュースの缶タイプを1.07ドル(約110円)で購入。
この量、この味で1ドルほどというのは他のジュースと比べてかなり安い。
それを歩き飲みしてコスプレ鑑賞を楽しんだ。
22時過ぎごろ。
再びこの祭りの会場を一往復し、今度こそお腹いっぱいになったので駐車場へと戻った。
ほぼ100%露出卿の仮装大会に性的欲求は刺激されたか?
ハッキリ言って答えは『ノー』だ。
どういうわけか若者をあまり見かけず、
目につくのは大体がおっさんやおばさんの中高年だったことがその1番の理由だろう。
個人的には、そのような人たちの露出はむしろ気分を害する。。
あとはあまりにもぶっ飛びすぎていて、そのような目で見るのを通り越してしまっている、
ということも理由の一つかもしれない。
後になって知ったが、
このハロウィーンイベントは『ファンタジー・フェスト』(どこがファンタジーなんだ)と呼ばれるお祭り。
全米の中でもニューオリンズの『マルディグラ』と並んでクレイジーな祭りらしい。
アメリカのハロウィーンはどこもこんな感じかと思ってしまったのでちょっと安心した。。
キーウェストはこのハロウィーンの時期に最も盛り上がりを見せるらしいので、
我々は偶然にもいい時期にこの地を訪れることができた。
とにかく、今日の盛り上がりを満喫することができたので、
数日後に控えているというパレードなどもうどうでもいいと思えるようになった。
確かに、
”これでまだ本番でないなら、本番は一体どのくらいクレイジーになるんだ?”
という興味はある。
しかし今日でも十分すごいものを見させてもらったので、パレードが見れないことに対する未練は全くと言っていいほど感じなかった。
スッキリした気持ちと未だに興奮している気持ちのまま、我々は座席を倒し睡眠タイムに入った。
すぐには寝れなかった私は電子書籍を少し読んでから眠りについた。
最南端地点であるキーウェストより南には行けないため、
明日は来た道折り返し再びマイアミ方面へ。
できればそのままニューオリンズ方面を目指したいと思う。
(この時はまだニューオリンズでも派手なハロウィーンイベントが開催されていることは知らなかった。)
縦断が完了した今、いよいよ西へ西へと向かうアメリカ横断の旅が始まろうとしている。
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