1泊だけの予定だったのに結局3泊もしてしまったページの町を離れ、
次に向かうのは知名度ブッチギリのNo. 1であろうアメリカの景勝地、
グランドキャニオン。
(1ドル=約103円。)
▼前回の記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
グランドキャニオンはページの南西方向に位置していて、車で2時間弱かかる。
移動中、先ほど購入したクッキーを食べようとしたのだが、
どうやら最近発生した口内炎が本格的に成長してきていて、
何を食べるにしても痛くて仕方がない。
これは間違い無くモニュメントバレーの帰りに購入したバッファローウィングのポテトチップスが原因だな。
濃すぎる味付けが私の口内に強い刺激を与えたため舌に血豆のようなものができて、
それが破裂して傷口が口内炎に発展したに違いない。
負の連鎖を忘れ去るために購入したクッキーを食べようとすると、
逆に痛くてイライラするという、完全に悪循環が生まれている。
結局クッキーはあまり食べれないまま2時間が経過。
グランドキャニオンの料金所に到着。
料金は1〜7日間で普通車1台30ドル(約3090円)。
7日もいらないから、1日単位でもう少し安くしてほしい。。
チケット購入時、料金所のおばちゃんに、
『他のナショナルパークへ行く予定はありますか?』と聞かれた。
『ナショナルパーク?例えばどんな?』
『例えば、ヨセミテ国立公園や、イエローストーン国立公園よ。』
『ヨセミテは行くと思うけど、イエローストーンはいかんかなぁ。何故?』
『もし1年以内に3つ以上のナショナルパーク(国立公園)に訪れる予定なら、
Annual Pass(国立公園年間パス)というのを80ドルで買うとお得なのよ。』
なるほど。
3か所それぞれで料金を払うと合計90ドル。
確かに80ドルの年間パスを買った方が10ドルはお得になるな。
『なるほど。でも、今の所ヨセミテ以外行く予定はないから、いいや。ありがとう。』
そんな感じで30ドルの料金をクレジットカードで支払った。
『これをフロントガラスに見えるように貼ってね。』
と、セロテープが貼られたレシートを渡された。
これで日数を超過している車は一目でわかるというわけだな。
*実際この後駐車場へ行ってみると、この紙を貼っていない車がたくさんあったが、あれはどういうことかな?
グランドキャニオン内は広大で車もたくさん入っているので、
確かにこんな紙切れいちいち確認している人がいるとも思えない。。
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とりあえずグランドキャニオン・ビレッジという宿泊施設やスーパーがある
人々の溜まり場てきなところを目指す。
そこへ向かう途中からすでに右手にはグランドキャニオンが見えた。
いくつか車を停めて展望できるポイントもあった。
我慢できずにテキトーなところに車を停めてグランドキャニオンを鑑賞。
これが子供の頃からよく聞くグランドキャニオンかぁ。
その後見どころの一つである
『Grandview Point(グランドビューポイント)』というポイントへ訪れ、
そこからもグランドキャニオンを眺めた。
正直なところ、どこから眺めてもその見え方に大差はなかった。
そして先日のホースシューベンドに比べたらスリルに欠け、
ホースシューベンドを見た後だとなんだか物足りなさを感じてしまう。。
グランドキャニオンも確かにすごいのだが、
広大すぎて、なんだか岩でできたゴツゴツした大地を見ているような感覚。
その広大さがすごいのだが、ホースシューベンドの一点集中型の名勝の方がインパクトがあったように思える。
13時ごろ。
グランドキャニオン・ビレッジ内にあるビジターセンターを訪れた。
ビジターセンター前には今日明日の天気や気温、日の出と日の入り時刻などの情報が掲載されている。
天気は申し分のない晴れ予報。
気になる気温はというと、最低気温4度。
これは今夜グランドキャニオンで車中泊を試みようとしている我々にとっては厳しい予報だ。。
果たして熟睡はできるだろうか。
ビジターセンターに入りテキトーに中を見学。
『サンライズとサンセットはどこへ見ればいいか?』
という情報が載っていたので参考までに一応写真を撮っておいた。
ちなみにオレンジラインとかレッドラインとか書いてあるのはバスの路線。
グランドキャニオン内には無料のシャトルバスが3路線通っている。
(我々は一度も利用することはなかった。)
その後向かったのは同じくグランドキャニオンビレッジ内にあるスーパーマーケット。
生活に必要なものは大抵ここで手に入る。
グランドキャニオン・ビレッジ内には宿泊施設もあるので、
基本的には何泊か滞在して大自然を楽しむ、というのがスタンダードなのだろうか。
そうなると、1〜7日間で料金を取るというのも少しだけ理解できる気が。
いやいや、
でもやはりそこは1日5ドル単位くらいの料金体系にして機転を利かせて欲しいところだ。
スーパー内には軽食を売るデリがあった。
相方はここでホットドッグを購入。
メニューと料金はこんな感じ。
これが相方が購入したホットドッグ。
これで税抜き2.99ドル(約307円)。
まぁ、グランドキャニオン内だし、そんなもんか。
私は今朝ページのウォルマートで購入したシーザーサラダをここで開封して昼食とした。
これは昨夜の晩御飯と同じサラダ。
大き目のクルトンが美味しいおかげでサラダ全体が美味しく感じる。
食事後はスーパー内を散策。
ここには食品売り場だけでなく、
お土産やアウトドア商品などを売るコーナーが併設されていた。
特にアウトドアコーナーは商品を見ているだけで楽しい。
いろんな商品を見て回っていると、店員に声をかけられた。
『ヘイ!そのTシャツ知ってるわ!凄くクールね!』
そうだ、
私は今朝購入したページのバルーンフェスのオフィシャルTシャツを着ているんだった。
『ありがとう。これ知ってるの?』
『もちろんよ。まだ行ったことはないけどね。』
このTシャツを褒めてもらうのは本日2度目のこと。
嬉しい。。
延泊して早朝に買いに行った甲斐がったというものだ。
そういえばアンテロープ・キャニオンでのトマティーナTシャツといい、
最近私が着ているTシャツに反応を示してくれる人が多いな。
今までは狙って着ても誰からも声をかけられないということが多かったのに。
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14時30分。
ビジターセンターから徒歩数分でいける
『Mather Point(マーサー・ポイント)』というポイントへ訪れた。
ここは日の出ポイントとしても有名なところ。
グランドキャニオンの起源は、
およそ7000万年前に起こった地殻変動による隆起まで遡るという。
そしておよそ4000万年前にコロラド川による侵食が始まり、
現在見られるような峡谷になったのはおよそ200万年前だという。
そして侵食は現在も続いていて、
最古のものでおよそ20億年前の原子生命誕生時の地層を侵食しているのだという。
ちょっと桁が飛び抜けすぎてて想像しづらい。。
岩場を下り崖のほうまで足を伸ばす。
大自然が何千万年かけてつくりだした雄大な景色を眺めながらたくさん写真を撮った。
(岩場を下っていけばこういう突起の部分にいける。フェンスはない。たぶん落ちても自己責任。)
岩場を下っている時、野生のリスを発見した。
ここのリスも人慣れしているのか、我々が近づいても逃げようとはしない。
今まで見てきたリス以上に土を深く掘るここのリスの動きをしばらく観察。
16時ごろ。
マーサー・ポイントの散策を終え車に戻ったあとは、夕日をどこで見ようか考えていた。
ここから歩いていけるところにある『Yavapai Point(ヤバパイ・ポイント)』か、
ここから車で35分ぐらい行ったところにある『Lipan Point(リパン・ポイント)』か。
確か本日の日の入りは17時27分と表示されていたな。
まだまだ時間があるし、
リパン・ポイントで夕日を見ることにして車を走らせた。
リパン・ポイントまでの体感移動時間はかなり長いものだったが、
予定通り17時ちょうどにリパン・ポイントに到着した。
リパン・ポイントにはすでに何人かがいて日の入りを待っている様子。
我々もそこで待機し日の入りを待とうとしたが、
目の前に広がる景色はなんか思い描いていた景色と違う。。
なんか、大したことなさそうな予感がした。
『どうする?ここで見る?』
そんな風に移動すべきかどうか迷っていると、
『たぶん今がこの場所のベストな瞬間だ。もう次へ移動しようぜ。』
という声が隣から聞こえてきた。
それは私たちに向けられた言葉ではなく、よその会話を私が盗み聞きした形になる。
その言葉に触発された私はここから移動するという決断を下した。
今が17時。
グランドビュー・ポイントまでは20分ほど。
”間に合う。”
そう判断したのだ。
グランドビュー・ポイントは特に日の入りポイントに指定されていなかったが、
方向的にそこでも夕暮れ景色は観れるだろう、という判断だった。
結果はこの通り、タイムオーバー。
グランドビュー・ポイントに到着したのは日の入り前の17時20分頃だったが、
よく考えたらそれは太陽が地平線に沈む時間。
到着した時には太陽はもうグランドキャニオンに隠れてしまっていた。
グランドキャニオンで夕日を見るなら
表示されている時間よりも少なくとも2、30分は早めにスタンバイしていなければならない、
ということを学んだ。
こんなことならリパン・ポイントから動かなければよかった。
というか、そもそもリパン・ポイントではなく、
近くのヤバパイ・ポイントをチョイスしていればよかった。
なんかやることなすこと全て裏目に出てる気が。
まだまだ負の連鎖継続中か。。
この時私は、相当落ち込みながらグランドキャニオン・ビレッジへ車を走らせていたことを覚えている。
これ単発のことならすぐに切り替えられるのだが、
エルパソから続くこの負の連鎖全体に対してはどうにも気持ちを立て直すことができなかった。
そんな私に相方は『まだ明日の朝日があるよ。』と声をかけ励ましてくれる。
”確かに。朝焼けも夕焼けも同じ太陽の光なんだし、方向が違うだけで言われなけりゃどっちか分かんねぇよな。”
私は無理矢理そう思い、なんとか気持ちを立て直そうとした。
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17時40分。
やっとグランドキャニオン・ビレッジに戻ってきた。
一応もう一つの日の入りポイントだったヤバパイ・ポイントにも行ってみた。
結果はご覧の通り。
そこにはまだ何人かの人が景色を楽しんでいたが、太陽は完全に沈んでしまっている。
思わず『ハァ。。』とため息をつく。
薄暗くなったグランドキャニオンを見ながら、私は一人虚しい気持ちになっていた。
暗くなったグランドキャニオンで特にやることはない。
唯一暇をつぶせそうなスーパーへ行って店内を散策した。
今までウォルマートでしか売られていないと思っていたサラダが普通に売られている。
しかし値段はウォルマートよりも1ドル弱ほど高い。
サラダだけでなく、ここのスーパーは基本的に物価が高め。
食料は外からグランドキャニオンへ持ち込むのがいいと思う。
スーパーが21時で閉店した後、そのスーパーの駐車場で車中泊を試みた。
ここのスーパーには閉店後も無料Wi-Fiが飛んでおり、
店舗に近い駐車場に車を停めればそのWi-Fiを拾うことができる。
しかしスーパーのトイレは閉店後閉められてしまったので、
トイレの場合は車でちょっと移動してビジターセンターの方まで行く必要があった。
街灯はほとんどなく、この時間になるとどこも真っ暗。
上を見上げると星が綺麗に輝いていた。
辺りを照らすためにiPhoneのライトをオンにすると、
そこにはさらに驚くべき光景が。。
”鹿だ。”
結構デカめの鹿が何匹か、すぐ目の前でゴミをあさっている。。
たぶん日中に遭遇すれば奈良公園や宮島のような感覚でそこまで驚きはしなかっただろう。
しかしこのまっ暗闇の中に突然現れる獣の怖さと言ったら、
たとえそれが臆病な鹿だとしてもたまったもんじゃない。
とりあえず光を当てたら鹿は我々から遠ざかっていった。
でもこの先トイレへ行くまでに何に遭遇するかわからない。
デッカい角と体を持つヘラジカなど現れたらどうしよう。。
周りに警戒しながらトイレへ向かい、無事用をたした。
なんとか鹿以外の動物に遭遇することはなくて済んだ。
その後、ちょっとドライブがてらさらに暗いところまで車を走らせ星空鑑賞をした。
星空を堪能した後は再びスーパーの駐車場へ戻って車中泊。
今の所大丈夫だけど、
これが0時を超えたあたりからどれぐらい気温が下がっていくかが心配だ。
私は持参している衣類という衣類のほとんどを着込み、
生命線とも言えるモンベルの寝袋に包まれ、最低気温に達しないうちに就寝を試みた。
浅いながらもなんとか眠りにつけていた私だが、
深夜4時ごろにはさすがに寒くて目を覚ました。
”4時か、たぶん今が最低気温だな。それにしても寒すぎる。。”
たまらずエンジンをかけて車内を温める。
そういえば、寒がりの相方はちゃんと眠れているだろうか?
ふと助手席の方に目をやると、やはり起きていた。
しかも私が寒さで目覚めるずっと前から起きているらしい。
というか、寒くて一睡もできていなくて、
なんと涙まで流していたらしい。
こんなに寒いの初めてだと。。
車の鍵は相方に渡しておくべきだったか。。
とりあえずトイレへ行きたいというのでビジターセンターまで車を走らせる。
だんだん車内もあったまってきて、ようやく生きた心地を取り戻す。
”4時過ぎか。
日の出が6時57分だから、あと2時間くらいは車で待機している必要があるのか。”
そこからしばらくの間、
暖房の効いた車内でグランドキャニオンの異常なまでの寒さに対する不平不満を語り合い時を過ごした。
この寒さ、シカゴでの車中泊を余裕で超えたかな。
▼アメリカ横断26日目までのルート★
デトロイト→シカゴ→ナッシュビル→アトランタ→ウォルトディズニーワールド(オーランド)→マイアミ→キーウェスト→ニューオリンズ→ヒューストン→ダラス→エルパソ→モニュメントバレー→ページ(アンテロープキャニオン)→グランドキャニオンで車中泊。
▼次回記事(グランドキャニオンの朝焼け)
▼アメリカ横断まとめ【完全版】