待ちに待ったニューヨークタイムズスクエア前でのカウントダウン2016→2017に参加するため、今朝11時頃から場所取りを開始している我々。
『寒いしトイレ行けないし暇だし、場所取りはすごくきつい!』
という事前情報ばかり聞いていたが、相方としゃべったりしていたらなんだかんだで時間は過ぎていき、気づけば日が沈んでいた。
今のところはそんなにきつくない。(ちょっと寒さを感じる時間帯があったな。)
2017年まで残りあと6時間。
”まだ2016年を味わいたい” という気持ちと、”早く0時になれ” という気持ちを抱きながら我々は待機を続行する。
(1ドル=約117円 2016年12月31日。)
◎前回の記事↓↓ (カウントダウン場所とり編)
◉カウントダウン現地情報まとめ↓↓
18時。
『6 HOURS TO GO』という表示が出て、盛大な演出のもとタイムズスクエア・ボールがお出まし。
カウントダウンに合わせてこのボールが落下していき、年を越す瞬間に落ちきる。
そして花火と紙吹雪が盛大に空を舞い、集まった人々は新年を祝う。
この流れはボールドロップといい1907年に初めて行われて以来毎年行われていて、約110年も前から続く伝統行事となっている。(戦時中行われていない年あり。)
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18時10分。
ようやく我々のエリアにも無料カウントダウングッズ配布がやってきた。
皆すごい勢いでグッズへ押し寄せる。
この瞬間、今までぎゅうぎゅう詰めだった周りの空間がぽっかりと空いた。
今まであった圧迫感からしばし解放される。
その隙に場所を取られないように相方を残し、私はグッズ争奪戦に参戦。
なんとかシルクハットのような帽子を2つゲットした。
この帽子は無料で配られる何種類かのグッズの中でも一番の目玉商品だろう。
配る人もたくさんいたので、我々のいるエリアではこの帽子を手に入れられなかったという人はいなかったと思う。
あんなに必死になって争奪戦を繰り広げなくても良かったってわけだ。
この帽子はスイッチを入れるとピカピカ光る。
残り6時間を切り、目立つグッズも配られだんだんと年越しムードが高まってくると、テレビのインタビュアーがよくやってくるようになった。
残念ながら日本のテレビ局は発見することができず、その代わり中国系のテレビ局を頻繁に見かけた。
20時過ぎ。
アメリカの歌手、レイチェル・プラッテンのライブが始まった。
大ヒット曲『Fight Song』などを熱唱し観客を盛り上げる。
スクリーン越しにはなるが、私はそのパフォーマンスにすっかりと魅了された。
本当に、もっとライブ会場に近い位置を陣取れば良かったかな、と後悔の念に駆られてきた。
遠くに見えるライブステージが盛り上がりを見せる一方で、真隣のテレビ中継ステージで繰り広げられていた企画も我々を楽しませてくれていた。
一番面白くて印象に残っているのは、目隠しをした男女が順番にキスをしていき、一番自分好みのキスをする相手を選び出す、というゲーム。
容姿は一切見えないので、本当に唇の感覚だけで相手を選び出さなければならない。
さすがアメリカ。こんな内容の企画も普通に生放送で流してしまう。
しかし、そこにいやらしさを全く感じさせないのが欧米人たちのすごいところだ。
2017年まであと約2時間。
時刻は22時になろうかという時に、ついにその時はやってきた。
なんとここにきて、相方脱落。
『トイレに行きたい。』とか言って、自らこのエリアから脱出して行ったのだ。
寒がりで頻尿の相方ははなからカウントダウンに参加するつもりはなく、
初めっから『夕方くらいには宿に戻る。』と明言していた。
しかし思いの外この場にいれてしまったのでここまで一緒に場所取りに付き合ってくれたのだが、残り2時間のところにでついに尿意の限界が訪れてしまったらしい。
もちろん緊急事態用のオムツなど履いていないので、この場で用をたすわけにはいかない。
エリアから出たいということを警察に言うと、
『お前気は確かか!?あと2時間だぞ!朝早くから並んだんだろ?もう少し頑張れよ!』
と、強く励まされたらしい。
周りの人も、『え!?出るの!?』みたいな反応をしてザワザワしていたらしい。
『イエス。出るの。早くしないとおしっこも出るよ。』
とまで言ったかどうかは知らないが、
警察や周りの人の必死の説得を振り切り、なんとかエリアから脱出することに成功したらしい。
ここまで来てリタイアする人もなかなかいないだろう。
22時前。
東芝の社長が挨拶に来た。
この大舞台で堂々と英語で挨拶をしている社長の姿を見ると、とてもこれが破産寸前の会社だとは思えなかった。
そしてその後2016年の出来事を振り返るダイジェスト映像が東芝スクリーンに流れ出し、
11月にドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国大統領に当選した時の映像も流れた。
その時の会場からのブーイングの嵐ったらひどいものだったな。
なんでこんなに嫌われている人が大統領に当選できたのだろう、と、つくづく不思議に思った。
22時。
また新たなグッズが配られた。
今度は細長い風船。
こちらも先ほどの帽子同様争奪戦が繰り広げられたが、最終的にはほとんどの人が風船をゲットしていた。
紫の帽子に紫の風船。
だんだんとカウントダウンモードになっていき、会場の雰囲気は一段と盛り上がっていく。
それにしても、なんで赤いスカーフはこちらサイドには配ってくれなかったのだろう。。
23時35分。
2016年も残りあとわずかと言うタイミングで突然、私のすぐ近くにいた男性が一緒に来ていた彼女にプロポーズを開始した。
サプライズだったようで、彼女はしばらく唖然とした後泣いて喜んでいた。
周りの人たちから祝福が送られる。
先ほどまで司会をしていた芸能人たちもその様子を見にステージから降りてきて、特にこのメインMCの女性は涙を流してその様子を見つめていた。(涙腺緩すぎ。)
しかしすぐに今年の目玉アーティストであるマライア・キャリーのライブが始まり、皆の注目は瞬時にそちらへと移っていった。
12時40分頃。
今年の目玉アーティスト、マライア・キャリー(46歳)登場。
ものすごいコスチュームだ。
さぞ、寒かろうに。
しかも、この時のマライアのパフォーマンスときたらひどいものだった。。
世界的ニュースにもなっていたが、機材トラブルかなんかで歌っているのか口パクなのかよくわからないパフォーマンスがだらだらと繰り広げられ、
”なんだこれ?” と思って観ていたらものの数分でライブ終了という意味不明なものだった。
機材トラブルが原因なだけに、マライアにとっては後味の悪い2016年の締めくくりとなってしまっただろう。
11時50分ごろ。
先ほど圧巻のライブパフォーマンスを披露したばかりのレイチェル・プラッテンが再び登場。
自身の楽曲『Lonely Planet』と、世界平和を願い毎年恒例となっているジョンレノンの『イマジン』を熱唱する。
60秒前から東芝スクリーンにカウントダウンが表示される。
この時からもう紙吹雪と花火は漏れ始めていた。
10秒前から周りの掛け声も大きくなる。(私の周りの人々は割と静かだった。。)
『0(HAPPY NEW YEAR)』と同時にタイムズスクエアボールが落ちきり、年が明けて花火と紙吹雪が盛大に宙を彩る。
そしてすぐに日本では閉店を促す音楽として知られる『蛍の光』の冒頭部分が流れ、
その後はフランク・シナトラの『NEW YORK NEW YORK』が流れ出す。
映画『ニューイヤーズ・イブ』と全く同じ世界が広がっている。
キスをしているカップルを探してみるが、残念ながら私の周りにはそういうカップルはあまりいない様子だった。
60秒前カウントダウンの時からそうだが、皆スマホをかざして観ているだけの光景には少し寂しさを感じた。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
冒頭にも述べたが、『寒い。きつい。辛い。』とばかり聞いていたタイムズスクエア前カウントダウンだったが、
終わってみるとそれほどきついものではなかったな、というのが正直な感想。
今年があまり寒くなくてラッキーだっただけかもしれないが。
長時間待機で退屈するかなぁとも思っていたが、
喋り相手がいれば思いのほか時は早く流れていった。
日が沈んだあたりからテレビの生中継やライブパフォーマンスなどのイベントが始まるので、日中の暇な時間帯さえ乗り切ってしまえばあとは比較的楽だと思う。
この日のためだけに購入し履いてきたオムツも、
最終的にはその役目を果たすことはなく終了している。
(相方のように尿意が襲ってくることもなかった。)
確かに期待していたより花火の豪華さはなく年越し自体はあっさりとしたものだったが、
朝の場所取りから年越しまでの流れを通して、非常に印象深く思い出に強く残る貴重な体験ができた。
『一生に一度でいい。』という意見をよく聞いてきたが、
機会があればもう一度参加したいイベントだな、と私は思った。
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カウントダウンが終わり年があけると、皆意外とあっさりその場を離れ帰路につく。
私のようにゆっくりと余韻に浸っている者ももちろんいたが、
前の方の列だと『早く帰れ!』と言わんばかりに警察が我々を帰路へ誘導していく。
カウントダウン終了直後の様子↓↓
少し後ろへ下がればまだまだ居座れる感じだった。
さっと帰る人、余韻にひたり写真撮影を楽しむ人が入り混じっている。
それにしてもすごい量の紙吹雪だ。
夜が明けるまでに綺麗に掃除するの大変そうだな。
私はライブステージがある45th ストリートと46thストリートの間あたりまで行き、そこから再び正面を眺め余韻に浸る。
そして、
”このくらいの位置からの方が全体が見渡せていいかも”、ということに気づいてしまう。。
ここならライブも目の前で見れるし、東芝スクリーンに映し出される可能性も格段に高いだろう。
次回またタイムズスクエアのカウントダウンに参加することがあるなら、きっとこのライブステージ周辺を陣取るだろうと思った。
◎ライブ会場はこの辺り↓↓(ユニクロの目の前。)
0時30分。
後ろ髪を引かれつつも、私はタイムズスクエアを後にして帰路についた。
ただでさえ時給が高いニューヨークだが、この時のマックのバイトの時給は跳ね上がったりするのだろうか。
0時40分。
タイムズスクエアを離れた後もまだ興奮が収まっていなかった私は、地図も見ずに漠然と駅を目指し、テキトーにそこらを徘徊していた。
”まだ余韻に浸っていたい。” ”まだ帰りたくない。” という気持ちがそうさせていたのだと思う。
そうしてテキトーに歩いていると、突然背後から英語で声をかけられる。
突然のことにびっくりしながらも後ろを振り返ると、ぽっちゃり目の黒人女性が友達2人を連れて立っていた。
そして、
『ハーイ。その帽子素敵ね。どう、それ私に30ドルで譲ってくれないかしら?』
と言ってきた。
ははーん、なるほど。この帽子は最前列エリアに並んだ者だけが手に入れることができるいわば限定品。
限定となると余計に欲しくてたまらなくなるというのが人の性。
『30かぁ、うーん、じゃぁ、40でどうだ?』
私はまだ価格は上げられると踏み、瞬時に40という数字を提示した。
すると、
『OK、40でもいいわ。』
意外とあっさり交渉成立。
”キリよく50とでも言っとけばよかったかなぁ。”
とも思いながらその場で帽子と現金を交換。
取引が完了すると彼女はたいそう喜んでその帽子をかぶり友達とどこかへ消えていった。
帰り際に友達が、『お前ついに手に入れたな!』と言っている様子を見ると、私以外の何人かにも交渉を持ちかけていたのだろう。
つまりこの帽子にはそれだけの価値があるということ。
次回タイムズスクエアのカウントダウンに参加することがあったら帽子をたくさんもらい終わった後に売りさばいて儲けれるな、と、そこに商機を見出した。
0時50分。
しめしめと思い受け取った現金を確認すると、手元には20ドル札が3枚あった。
つまりは合計60ドル!?
”あれ?”
おそらく間違って1枚多く渡してしまったのだろう。
アメリカ人のいい加減具合が、この時は私にいいように働いたみたいだ。
”2017年はいい年になりそうだ。”
ニヤニヤが止まらない私は、新年を祝う意味も込めてその辺にあったケバブ屋でチキンケバブを1つ購入した。
一瞬にして60ドルも稼いだ後だったので、値段も聞かずにお金を渡したらチキンケバブは1個で7ドル(約819円)ということが判明。
普段なら絶対に買わない金額だが、この時は何も気にせずに購入できた。
『値段を気にせず金を出す』ということだけでお金持ち気分を味わった気になれる私はおそらく幸せ者だろう。
ケバブはパサパサしていて味が薄く思ったほど美味しいものではなかったが、今回の場合は『儲けた金で購入した』ということに満足感を覚えていたのであまり味は気にならなかった。
1時。
お祝いのチキンケバブをほうばりながら、私は上機嫌でグランドセントラル駅にたどり着いた。
年越しの余韻に、棚から牡丹餅の金儲け。
この時のハッピーな気分は今でも忘れられない。
早く帰って相方にこの一連の出来事を話して聞かせたいな、と思い、私はグランドセントラル駅から地下鉄に乗り込みブロンクスへ帰った。
1時20分。
混雑を予想していた地下鉄だが、ブロンクス行きの線はガラッガラに空いていた。
ラッキー。
1時50分頃。
ブロンクスの宿に到着。
早速部屋にいる相方にニューイヤーのお祝いと先ほどの金儲けの出来事を興奮気味に話す。
すると相方からもカウントダウンリタイア後の自らの体験談を話してくれた。
警察や周囲の人々の説得を振り切ってカウントダウンエリア内からなんとか脱出できた相方は、
その後午前中に行ったホテルのトイレへ行ったらしい。
しかし、
この時間帯ではさすがにトイレは閉まっていて入ることができず。
仕方がないので地下鉄に乗り宿へ帰ろうとすると、
タイムズスクエア周辺は規制がかかっており地下鉄駅にすら入ることができなかったらしい。
またまた仕方がないので、グランドセントラルの方まで歩いて行ってようやく地下鉄に入ることができたらしい。
しかしここで通る改札を間違えてしまい、駅員のおっちゃんにその状況を説明しようとするがなかなか言いたいことが伝わらず苦労したという。
相方はつたない英語で必死に状況を説明しているのに、おっちゃんはわかろうという努力もせずに自分の主張を押し通そうとしてくる。
仕舞いには『YOU DON'T UNDERSTAND!!!!!』とか言って怒鳴られ泣きそうになったらしい。
その後なんとか地下鉄に乗り込み宿に到着した頃にはすでに年越し直前にまで時間は迫ってたらしく、
結局ここまでトイレに行けなかったのならあの場にいて年を越しておけばよかった、と思ったらしい。
そんなことよりも、頑固で傲慢な駅員のおっちゃんに腹が立ってしょうがないのだという。
『みんながみんな英語しゃべれると思うなよ。』と、怒っていた。
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そんな感じでお互いの年越し体験を報告をし合い、部屋に戻り寝とこに着いた。
しかし私はまだ興奮が冷めやらないのかなかなか寝付くことができない。
できれば夜が明けたらブルックリン橋へ初日の出を見に行きたいな、と思っていたので、このまま朝まで寝ないことにする。
ちょうど私な好きなテレビ番組『SASUKE』のアメリカ版、『NINJA WARRIOR』がやっていたので、それを見ながら完徹を目指す。
それにしても、なんで年明け早々にこんな番組がやっているんだろう。。
*結局この後4時前くらいに一気に眠気が襲ってきて、ブルックリン橋に初日の出を見に行くことはできなかった。
ちなみに、
日本では1月1日の朝に初日の出を見るといった風習があるが、アメリカではそのような風習はないみたい。。
翌日の1月2日からは普通に仕事が始まり、また日常が再開されるというのでなんか違和感がある。
日本のお正月文化っていいな、と改めて実感した。
とりあえず、今年もよろしくお願いします。
◉次回記事↓↓
◉カウントダウン現地情報まとめ↓↓