タイのバンコクから長距離国際バスに揺られてカンボジアのシェムリアップを目指している我々。
カンボジア国境での現地ビザも難なく取得でき、無事国境を超えることができた。
カンボジアの観光ビザの料金は30ドル(30日間)。
正直30日もいらないので、10日とかでもっと安いプランを作って欲しい。。
(1ドル=約113円 1リエル=約0.028円 2017年3月5日。)
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16時45分。バスは停車。
どうやら乗っているバス会社のオフィスが終点らしい。
朝9時15分にバンコクを出発したので、所要時間は7時間30分。
(国境越えに50分くらい費やした。)
そしてこのバス会社の代表みたいなのがバスに乗り込んできて、非常になまりの強い英語で色々と説明をしだした。
とりあえず聞き取れたのは、
『シャムリアップ市内までは遠い。』
『このバス会社の提携ホテルまでだったらトゥクトゥク送迎無料』
『ご予約はオフィスで。』
『支払いにはドルを使ってください。カンボジアではドルが主要な通貨です。』
ということくらい。
説明が終わり、外へ出てみる。
”こんなところで下ろすの?”
っていうくらい何もないところだった。
地図で確認してみても、確かにシェムリアップ市内までは遠い。
シェムリアップでの宿はすでに予約済み。
とりあえずどうしていいのかわからなかったので、周りの人の動きに合わせてその辺をうろちょろ。
偶然バスには日本人の方が数人乗っていたので、その人たちと状況を確認し合う。
とりあえずここからは、外で必死に客引きをしているトゥクトゥクドライバーたちを捕まえ自力でそれぞれの宿まで行く必要がありそうだ。
シェムリアップには、
『Relax & Resort(リラックス&リゾート)』(通称リラリゾ)と
『クロマーヤマト』という主に2つの日本人宿が存在していて、我々が泊まるのはリラリゾのほう。
あいにく、同じバスに乗り合わせていた日本人の方はクロマーヤマトへ泊まるそうなので、トゥクトゥクの乗り合いはできそうにない。
一人のトゥクトゥクドライバーの客引きにのってみる。
カンボジアの自国通貨は『リエル』だが、先ほど代表が言っていた通りカンボジアでは事実上米ドルが主要通貨になっている。
リエルは1ドル以下の端数を数えるときに使用される、いわば”セント”のような存在。
ドルやリエルに加え、特にトゥクトゥクに乗るときなどはタイバーツも使用できる場合がある。
それだけバーツという通貨が東南アジアでは強いとうことだ。
しかも、
”米ドルからタイバーツへのレート変換が苦手なトゥクトゥクドライバー”
というのも割と多く存在するらしく、
米ドルで値段を言われたらタイバーツで交渉してみるとレートより安く交渉成立することが多々あると言う。
我々の場合は手持ちのドルが少なく、あまりドルを使いたくなかったので始めからタイバーツでの交渉。
リラリゾまでいくらでいけるか聞いてみる。
すると、『1人200バーツ(約640円)だ。』と。
高すぎる。
1人100バーツで交渉するが、なかなか折れない。
こちらが150バーツに妥協すると言っても、
『明日アンコールワットへ案内する仕事をくれるなら150にしてやる。』と、なかなか強固な姿勢。
明日のプランはまだ決めていないので、ここでアンコールワット行きを約束したくない。
最終的に、バーツからドルへ変換して2人で10ドル(約1140円)という値段で交渉成立した。
ドライバー最初のの言い値より少し安いくらいか。
(結局ドル使っちゃった。。)
*後から知ったことだが、やはりこの10ドルというのは相場よりも全然高い値段だったらしい。
そしてこのあとリラリゾで出会うことになる大学院生たちの話によると、
リラリゾは宿泊に無料送迎が付いているので、彼らはその辺のトゥクトゥクドライバーからケータイを借りて、リラリゾに電話をしてトゥクトゥクドライバーを送ってもらい、無料送迎でリラリゾまでたどり着いたらしい。
そういうやり方もあるのか、と、感心させられた。
ちょうどいい温度の風を浴び、夕暮れ時の街をトゥクトゥクに揺られるのはすごく気持ちが良かった。
でも、2人で10ドルはやはり高いな。
17時20分。
トゥクトゥクドライバーはリラリゾの位置をはっきり理解していなかったみたいなので、近くまで行ったら我々のGPSナビに従いリラリゾ正面に到着。
発展途上国で『この場所わかるか?』とトゥクトゥクやタクシードライバーに聞いたら、
90%くらいの確率で『もちろん知ってるよ!さぁ、乗れ!』と言われるが、
そのうち50%くらいのドライバーは本当は目的地の場所をわかっていない。。
大体の位置が分かれば『知ってる。』と言いとりあえず客を車両に乗せてしまい、
近くまで行ったら『GPSは起動しているか?』と客にナビを促してくる。
今回のトゥクトゥクドライバーもその類の人だったみたいだ。
▼リラリゾの場所
リラリゾに到着したのはいいが、目の前にある建物は我々が想像していたようなものではない。
”あれ?場所間違えたかな?”
と思った。
敷地内のソファーには現地民と思われる男どもがたむろしていて、とても日本人宿には見えない。
一応トゥクトゥクドライバーをその場で待たせ、恐る恐る建物内に入っり受け付けらしきところへ行ってみる。
するとオーナーと思われる人が出てきて、英語で予約確認を開始。
我々はリラリゾのホームページからメールを送る形で予約をしていたのだが、
ここに来るまで返事が返ってきていなくて、ちゃんと部屋が取れているのか不安だった。
オーナーがメールを確認し、ちゃんと部屋があることを確認した時ほっと胸をなでおろした。
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しばらく英語でやりとりしていると、ここに泊まっている日本人の宿泊者が受付に来てオーナーに日本語で話しかけた。
すると現地人だと思っていたオーナーも非常に流暢な日本語でそれに応対。
『え!?日本語しゃべれるんですか!?』
私がそう言うと、オーナーは、
『はい、問題ないです。』
と一言。
さっきまでの英語のやりとりはなんだったんだ。。。
さらにその日本人宿泊者の方曰く、
『ここは全然日本語オッケーですよ。なんならあそこにたむろしている人たちも日本語しゃべれますよ。』
とのことだった。
そこでたむろしている人たちというのは、どうやらリラリゾで雇われているトゥクトゥクドライバーなのらしい。
もちろん皆現地民。
すごい。日本人は皆無でカンボジア人のみで運営されている日本人宿。
パッと見は地元民の巣窟にしか見えなかった。。
一体どういう経緯でこうなってしまっているのか、非常に興味深い。
とりあえず1泊だけ予約している我々だが、おそらく2、3泊くらい延泊をすることをオーナーに告げる。
オーナーは一応宿泊予定表みたいなのを確認して、『大丈夫大丈夫〜。』と言っていた。
そしてダブルルームへチェックイン。
料金は2人で1泊15ドル(約1710円)。
1人1泊7.5ドル(約855円)計算。
朝食付き。
ワイファイあり(部屋での繋がりはあまりよくない。)
洗濯無料。
エアコン付きの部屋を選んだが、効きが悪くてこの時間でも結構暑い。
専用のトイレとシャワーはあるが、ここのシャワー、サビ臭い。
さらに少し茶色く濁っている。。
結局リラリゾには数日間滞在することになったが、このサビ臭いシャワーは結構だるかった。(さらに水圧も弱い。)
毎晩シャワーに入るのが憂鬱になる。
しかし前述した通りエアコンの効きが悪いため、シャワーを浴びないと暑くてベタベタして気持ち悪い、という悪循環。
今思うと、よくこんなところに数日間も滞在したな、と思う。
部屋からの景色。
トゥクトゥクに乗っている時に見えたが、カンボジアは夕日が綺麗だった。
(部屋からは夕日は見えない。)
荷物を置いたら、とりあえず宿内探検へ。
外出中の時は、『Gone to Temple(寺院へ行っています。)』という札をドアの前にかけるようだ。
”シェムリアップではアンコールワットをはじめとした寺院巡りくらいやることがないですよ。”、ということの裏返しに見えた。
屋上には洗濯干し場が。
洗濯は部屋にある洗濯カゴに洗濯物を入れて朝扉の前に出しておけば、リラリゾ側でたたむところまですべてやってくれる。
そのサービスは嬉しいが、
今日出した洗濯物が翌日には返ってくるというものではなく、いつ返ってくるかわからないというのがたまにきず。
館内には『ポーツマス、ポーツマス、にゃー。』で有名な芸人、猫ひろしのサインが飾られていた。
オリンピックに出場するという夢を叶えるためにカンボジア国籍を取得した猫は、
リラリゾのオーナーと仲が良く、カンボジアにいる時はちょいちょいこのリラリゾに遊びに来るという。
オーナー曰く、我々が滞在していたこの時期、猫はちょうど日本へ帰国中だったという。
ちょっと会ってみたかったな。
館内をうろついているとここで雇われているトゥクトゥクドライバーに見つかり、
『明日アンコールワットへ行かないか?他に行きたいところはないか?』と営業をかけられた。(英語、時々簡単な日本語で。)
宿で雇われているのになんでこんなにしつこく営業をかけてくるんだ。。?
ここの宿のシステムがまるで読めない。
それだけ独特な雰囲気があり面白みのある宿だ、ということでもあるのだが。
最後にはドライバーの連絡先を渡されて営業活動は終了。
その後はリビングで少しくつろいだ。
部屋よりリビングの方がワイファイが強いしな。
こんな感じでトゥクトゥクドライバーたちが暇を持て余している。(本当はまだまだ人数がいる。)
リビングに座っていると、車椅子に乗った日本人の青年が現れた。
しばらく彼と話をして時間を過ごす。
なんでも彼は事故で足を怪我してしまい車椅子に乗っているらしく、カンボジアへはボランティアのような形で来ているらしい。
ボランティアといっても何かの団体などに所属しているわけではなく、
自ら『カンボジアの小学校を周って子供達に鉛筆を配る』という企画を打ち立て、完全に個人で来ているのらしい。
さらにすごいなぁと感心させられらのは、
彼は地元のテレビ局にその企画を自らプレゼンして売り込み、そのテレビ局をスポンサーにつけて旅を行っているのだという。
なのでカメラマンなどテレビ局のスタッフも数人同行しているとのこと。
将来の夢はカンボジアに自分の学校を設立することだ、と目を輝かせて語っていた。
しっかりとしすぎていて、予定も決めずにただなんとなく世界を放浪している我々の状況が恥ずかしくなった。
我々が世界一周を決行しているという話をすると、これまた目を輝かせて『すげー!!』と興奮していた。
いやいや、世界一周なんてお金と時間さえ作ってしまえば正直誰にでもできる。
夢を持ち、それに向かって大胆に行動を起こしている彼の方がよっぽどすごい。
私は興奮する彼にこれまでの旅の話をしながら、心の中ではそう自分を恥じていた。
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19時30分。
夕食を食べに外出。
リラリゾのすぐ近くを通っている6号線という主要道沿いにある屋台群を訪れた。
先ほど車椅子の少年と話している時、
リラリゾで雇われている日本語ペラペラなトゥクトゥクドライバーは衛生面上あまりオススメしていなかったが、他に安いところを見つけられなかったので結局屋台でメシを食うことに。
なに、タイでも屋台のメシを食ったが特になにも問題なかったから大丈夫。
6号線沿いにはたくさんの屋台が軒を連ねていて、その中から値段がちゃんと書いてあってうまそうな屋台を選び出した。
席数が足りなかったので、現地民と相席をすることに。
こんな氷入りの水をサービスで出されたが、これこそ飲んだら本当にお腹を壊すやつだ。
もちろん我々は一切口をつけていない。
料理が出てくるまで結構時間がかかった。
私はフライドライスを1.5ドル(約169円)で、
相方は『Chami』とかいう焼きそばみたいなのを1.5ドル(約169円)で注文。
(十分安いのだが、やはりドルだと割高に感じてしまう。)
エビと肉を切らしているということだったので、代わりに違う肉をたくさん入れてもらった。
量と値段は申し分ないが、味の方はあまり美味しくない。
フライドライスも焼きそばも甘い味付けで、旨みというのが一切感じられない。
タイをはじめ、東南アジアは食べ物が美味しいイメージだった。
しかしカンボジア1発目の飯でこれを食わされたおかげで、
”カンボジアの飯はまずい” というイメージが我々に定着してしまった。
*実際まずかったのはこの屋台くらいで、この先食べるカンボジア料理には美味しいものもたくさんあったのでご安心を。
そして幸い、屋台のご飯を食べたことによってお腹を壊すということもなかった。
夕食後はサーっと6号線沿いを散歩して、21時ごろリラリゾへ帰宅。
相変わらずエアコンの効きが悪く、ベタベタした体を洗い流すためにシャワーへ入るも水はサビ臭いく茶色く濁っているし、水圧は弱いしで最悪。
お湯はちゃんと出るが、この暑さなら水シャワーを浴びた方が気持ちがいい。
水道の水もサビ臭いので、歯を磨いたり顔を洗ったりするのも憂鬱になる。
タイから水をたくさん補給してこれば良かった。。
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