11時25分にカナダのエドモントンから再出発した飛行機は、
13時過ぎ頃、同じくカナダのイエローナイフに到着。
イエローナイフといえば何と言っても天空の神秘、オーロラ。
ここ、イエローナイフは世界屈指のオーロラ鑑賞スポットだ。
▼前回の記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
飛行機から一歩外へ出た瞬間、久しく経験していなかった空気の冷たさが我々の体に襲いかかってきた。
その寒さはバンクーバーとは比べものにならないもので、まるで冷凍庫の中にでもいるような感覚だった。
完全に余裕をかましていた私は、
”マジか、こんなに寒いとは。。”
と思わざるをえなかった。
イエローナイフ空港の手荷物受取カウンターのところには、大きなシロクマの剥製が飾られていた。
イエローナイフではオーロラ鑑賞ツアーに申し込んでいたので、
空港に着くとすぐに、私の名前が書かれたプラカードを持つツアコンのお姉さんが出迎えてくれた。
見知らぬ土地に到着した時、このように誰かが出迎えてくれるということは嬉しいし、何より安心する。
街への行き方や観光スポットなど、
もう何にも調べたり考えたりしなくていいというツアーのメリットを十分に堪能した。
ツアーバスは他に数人の中国人観光客も同乗しイエローナイフ市街地に向かった。
ツアコンのお姉さんが市内の観光スポットやオーロラについて簡単に説明してくれ、
それを聞きながらの移動となる。
中国人観光客には中国人のツアコンのお兄さんが色々と説明していて、車内は少し騒がしかった。
2件ほどホテルを経由し中国人観光客たちは全員そこで下車。
最後にたどり着いたホテルが我々のホテル。
1軒目、2軒目がそれなりにいいホテルそうだったので、どんなところか少し期待したが、到着し外観を見ると先の2軒との格差はハッキリとしていた。
DISCOVERY INN という今回の宿は、
オーロラツアーに含まれている宿なので1泊いくらなのかわからない。
ただ分かっているのは、
ツアー申し込み時に選べた3つのホテルランクの中で一番下のランク(スタンダード)だということ。
木造のアウトドアショップを思わせる外観だが、客室はちゃんとしたホテルの部屋だった。
一番驚きだったのは、
このホテルに飛んでいるWi-Fiを使用するには1日1人5カナダドル(約390円)払わなければいけないということ。
”Wi-Fi無料じゃないの!?”
夜遅くから行われるオーロラ鑑賞以外、これといってやることのなさそうなイエローナイフでのこの仕打ちは、我々に相当なショックを与えた。
スポンサーリンク
Wi-Fiのない部屋に長居していても退屈だったので外出。
外に出ると再び冷凍庫のような寒さが我々を襲う。
メイン通りにある温度計には気温1度と表示されていたが、
体感的にはもっと低く感じた。
真冬になるとマイナス30度まで気温が下がるというからまだマシな方か。
まず向かったのはイエローナイフの博物館。
観光案内所の隣に位置していて、なんと入場料は無料。
やることの少ないイエローナイフに来たら、まずここを訪問するといいだろう。
開館時間はこの通り。
中に入ると再び、先ほどのツアコンのお姉さんが出迎えてくれた。
なんでもそのツアー会社ではイエローナイフ市内観光というオプショナルツアーも行っているらしく、今はその真最中らしい。
このツアー会社では他にも犬ぞり体験などのオプショナルツアーを用意しているらしいので、お金に余裕がある人は是非参加を検討してみては。
オーロラ鑑賞ツアーだけで1人4万円以上のお金をつぎ込んでしまっている長期旅行者の我々には、到底縁のないオプションであったことは言うまでもない。
ツアコンのお姉さんに軽く館内案内をしてもらってから見学をスタートさせた。
この博物館の目玉の一つとしては、このシロクマの剥製が挙げられるだろう。
空港にあるものよりも間近で見ることができるので迫力がある。
シロクマの背後で怯えている様子の小動物がかわいらしい。
シロクマ以外にもバッファローやトナカイなどの剥製も展示されていた。
この船のコーナーではなにやらドキュメンタリーが上映されていた。
内容としては現代人が昔のやり方に従って森でこの船を作り、
完成した船に乗り川を下り街に戻ってくるというもの。
ソファーに座り込み、このドキュメンタリーにすっかり見入っていた。
ドキュメンタリーを見終えた後は簡単に残りのコーナーを見学し博物館を出た。
外は相変わらず寒いが、天気は気持ちいくらいの晴れ。
天気予報では夜は曇りとなっているらしいが、オーロラ鑑賞の時までこの晴れ間がもってくれることを祈る。
次に訪れたのは博物館のすぐ近くに位置するイエローナイフ市内観光案内所。
ここではこのような無料のイエローナイフバッジがもらえる。
イエローナイフの記念に、もちろんこのバッジをゲットした。
15時40分。
その後はスーパーに寄り、晩御飯として
大きなパンを2.99カナダドル(約233円)、
チキンウィング4本を4.08カナダドル(約318円)
で購入してから宿に戻った。
宿に無料Wi-Fiはないが、共用のパソコンなら無料でインターネットに接続できるということだったので、しばらくそれを使って暇潰し。
18時ごろ。
先ほどスーパーで購入した晩御飯を部屋でいただいた。
パンは全部食べずに今後の食料として残しておいた。
その後部屋で腹筋を鍛えたりしてダラダラ過ごしていると、
20時30分ごろ突然部屋の電話が鳴り出した。
”ツアーの集合時間を間違えたか?いやでも集合時間は21時50分のはず。いったい何事だ?”
恐る恐る電話に出てみるとそれは宿の主人からで、
なんでも『今外にオーロラが見えてるから外に出てみな!』とのことだった。
まさかツアーに参加する前からオーロラが見えるとは、ラッキー!
急いで防寒着を着込み部屋を飛び出し外に出た。
しかし、そこにはかろうじて肉眼で確認できる雲のような線が夜空にうっすら伸びているだけだった。
”ふーん。。。”
なんか、期待外れな感じで気分で部屋に戻った。
あれが、オーロラというものか?
あれはオーロラレベルでいうとどのくらいのものなんだ?
もしあれがスタンダードレベルだとしたら、わざわざ高い金払ってこんな極地まで見に来るほどのものではない。
きっとあれは最低レベルのもので、ツアー中はもっとすごいのが見れるはず。
相方とそういう話をしながらツアーまで残り1時間、再び部屋で待機した。
スポンサーリンク
21時50分。
集合場所である宿のロビーへ向かった。
ロビーは他のツアー会社に参加する人たちもたくさんいて少し混み合っていた。
22時頃。
昼間とは違うツアコンのお姉さんが現れ、我々をツアーバスに案内した。
まず山奥にあるオーロラ鑑賞用のキャビンに向かうのがツアーの基本的な流れらしいのだが、
幸運にもすでにオーロラが発生しているとのことだったので、進路を変更して近くの湖へとむかった。
途中道を間違えるというミスはあったが、
移動中のバスの車窓からもうっすらながらオーロラを確認できた。
湖のほとりに到着。
そこには何台かのツアーバスが停まっており、
主に中国人観光客がすでにオーロラ鑑賞をして盛り上がっていた。
このとき見えたオーロラは、
先ほど宿で見たものよりはハッキリとしていたものの、
やはりそれは雲と言われれば雲に見えてしまうようなものだった。
”オーロラよ、それがお前のMAX か?”
そう心で問いかけながらオーロラがもっと強くなるのを望みただじっと空を見つめていた。
だんだんオーロラは強くなってきたが、まだまだ私が思い描いていたオーロラには及んでいない。
じっとしていると寒いので定期的に体を動かして体を温めるよう努めた。
しかし寒さには勝てず、
さらに言うとオーロラに飽きてきたこともありついに我々は一旦バスの中に逃げ込んでしまった。
『オーロラってこんなもんなのか?』
『みんなこの雲のようなものを見るためにここまでやってきているのか?』
『こんなんじゃツアー代の44449円(航空券も合わせたら74783円)は割に合わなすぎじゃないか?ぼったくりもいいとこだ。』
『3日滞在で95%という鑑賞率はこういうのも含めて謳われているのだよな。実際すごいのが見れる確率はどんなもんなのかな。』
そんなことを思いながらしばらくバスの中で暖をとっていた。
しばらくして再び外に出ると、そこにはすごい光景が広がり始めていた。
オーロラがみるみるうちに大きくなり、と同時にその光もどんどん強さを増していっている。
オーロラが激しく動いている。
その動きはまさに風に吹かれ波打つ巨大なカーテン。
後から聞くと、それはオーロラ爆発と呼ばれる現象だったらしい。
しかもその動きは予測不可能変幻自在で、
カーテンのように大きく波打ちながら我々の方に向かってくる。
ちょうど頭上の位置で移動をやめたオーロラは、
今度はなんとも不思議な動きで我々を魅了した。
例えるのは非常に難しいのだが、
本当にもうこの世のものとは思えない動きでうねうねと形を変えながら、
気体のような光が交わり合いを続けている。
そんな不思議な光景は地上から約100㎞も離れた宇宙で起こっているというのだからまた不思議だ。
感覚的には雲くらいの高さで起こっている現象に見えるのに。
この後もこのオーロラ爆発と呼ばれる現象は何度か起こり我々を魅了した。
中国人観光客はオーロラ爆発が起こるたびに歓声をあげ盛り上がっていたが、
不思議とこの時はその騒音は気にならずただただオーロラに見とれていた。
ちなみに写真は紛れもなく我々が観ていたのと同じオーロラなのだが、
撮影した人はツアコンのお姉さん。
やっぱりいいカメラで撮ると違うなぁ。
私が撮った写真は防水デジカメを使用して、しかも肉眼重視のためノールックで撮ったものなので質が悪い。↓↓
これが、私が撮ったオーロラの写真の中の渾身の一枚。
これはいいカメラ持ってなかったら下手に写真に収めようとしないで肉眼でその光景を脳裏に焼き付けるべし。
綺麗な写真はいいカメラで撮った人からもらえばいい。
それでも、ツアコンのお姉さんの写真は本当に綺麗に取れているので、以下に一気に載せておきたいと思う。↓↓
オーロラ爆発は、これらの写真がダイナミックにうねうね動く感じ。
あの動きは本当にすごかった。
スポンサーリンク
しばらくすると夜空は雲に覆われ始めオーロラも見えなくなってしまった。
我々はツアコンのお姉さんのガイドトークを聞きながらツアーバスでキャビンに移動した。
そこで晴れ間ができ再びオーロラが現れるのを待った。
キャビンにはココアやコーヒーに温かいスープ、
さらにマニックというイエローナイフ名物(?)のパンのようなものも用意されていた。
湖でのオーロラ鑑賞で相当体が冷え切っていた私は、
ここでココアとスープを最低でも10杯はおかわりした。
マニックは変わった味がして、その味を表現するのは難しいのだが、
とにかく硬くて弾力があり、ゴムのような味という印象だった。
ちょいちょい外に出てオーロラが見えるか確認するが、
1度雲に覆われてしまった空はなかなか晴れ間を見せてくれない。
結論から言うと、この日再びオーロラを拝むことはなかった。
キャビンではツアコンのお姉さんと少し話し、
イエローナイフのオススメのレストランなどを教えてもらった。
お姉さんはイエローナイフに来て3ヶ月ほどらしいのだが、
『今日ほどのオーロラはお姉さん史上でもトップレベルにランクインする』
と言っていた。
そのような情報は、たとえそれが誇張であったとしても、我々ゲストにとっては嬉しく感じるもの。
普通は緑に見えるオーロラだが、今日はピンク色も見えた。
このピンク色が見えるというのはなかなか珍しいとのことだった。
深夜2時にこの日のツアーは終了。
キャビンにいるときから爆睡していた私は帰りのバスでも爆睡。
宿に着いたらベッドに入り引き続き爆睡した。
▼次回記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】