昨日、カナダのトロントからアメリカ合衆国のデトロイトまでグレイハウンドのバスを利用して移動してきた我々。
この旅で、ついにアメリカ合衆国入国である。
アメリカではここデトロイトでレンタカーを借りて、
西海岸の都市サンフランシスコまで35日かけてゆっくりと移動する予定。
今日はその記念すべきアメリカ横断第1日目。
いろいろなサイトで海外レンタカーを比較した結果、
ダラーレンタカーを利用することに決めていた。
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果たして、何事もなくレンタルできるだろうか。。
▼前回の記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
朝8時30分頃。
昨日の夕食を抜いていることもあり、腹ペコでこの宿のロビーにある朝食会場へ。
朝食はトーストにコーンフレーク、ワッフル、変なパンにコーヒーやジュースなどの飲み物、といった感じ。
所詮アメリカのモーテルの朝食なんてこんなもの。
トーストとワッフルを食いまくってやるぞ、と意気込んでカウンターに向かったのだが、
食パンにワッフルの素、さらにはミルクまでもが用意されてないではないか。
これではコーンフレークすら食べれない。
そう思い受付へ行きまずはパンを要求。
そしたら愛想のない黒人スタッフが
『パンはない。』と言い始めた。
『トースターがあるのにパンがないってどういうことだ。』
と文句を言っていると、
その黒人スタッフは食パンの入った袋を持ってきてそれを我々に差し出した。
”なんだ、あるじゃないか。なんで嘘をつくんだ。
さてはこいつ、面倒臭いから確認もしないで『ない。』と言ったな。”
多少腹は立ったが、とにかくこれでトーストは食べれる。
しかし、相方はワッフルの素がないことにどうしても納得いかなかったらしく、
ついには食管を抱えて受付へ行き、
中身を見せつけてワッフルの素が不足していて、
ついでにミルクもないことを訴えていた。
結果ミルクはもらえたが、
食管まで持って行って訴えのにワッフルの素は本当にないらしくてもらえなかった。
食管の底にこびりついたワッフルの素をかき集め、少しだけワッフルを作ることができた。
でも、朝8時30分の時点でワッフルもパンもミルクもカウンターからなくなっているというアメリカ人の朝からの食いっぷりに驚いた。
朝食後は昨夜も訪れた近所の酒屋へ。
ここに来たのは食料調達のためではなく、
大きなお金を崩しコインを作ることが第一の目的だ。
というのも、
チェックアウト後は市内バスで空港まで移動する予定。
そのバスに乗る際大きなお札ではお釣りが来ず、
できるだけ『クオーター』と呼ばれる25セントコインを用意しておくと便利だったからだ。
1ドル(約103円)のポテトチップスを20ドル札で買い、
お釣りをなるべくクオーターでくれるようにお願いして大量のクオーターコインを手に入れた。
11時前にチェックアウト。
宿の前にある25番のバス停に少し迷いながらもたどり着いた。
目的地はデトロイト空港。
空港といっても飛行機に乗るわけではなく、
これから約1ヶ月の間我々の移動手段になるレンタカーをピックアップするために行くのである。
デトロイト市街地からデトロイト空港までは交通の便が非常に悪い。
3本の市内バスを乗り継ぎ、所要時間は約2時間30分にも及ぶ。
うまく乗り継ぎができるかどうか心配だが、
とにかくグーグルマップの示すルートとにらめっこをしながらひとつひとつ確実にこなしていくしかない。
まずは昨日この宿まで来たルートを逆に辿り、
25番のバスで Rosa Parks Transit Center という市内バスターミナルへと向かう。
運賃は昨日と同じ1人1.5ドル(約154円)。
そこから今度は19番のバスに乗り換え、
次の乗り換えまで約25分バスに揺られる。
ここでも運賃1人1.5ドルを支払った。
次に降りたところはどうやら終点だったらしく、バスに乗っていた全員が下車した。
しかしそこはグーグルマップに示された場所とは若干異なっていたため少しあたふたした。
とりあえず次の乗り換えのバス停と思われる方向へ何人かの人が歩いて行ったので、
流れに身を任せそちらへついて行った。
このバス停でしばらく待っていると車椅子に乗ったおばさんが我々の隣にやって来て、
相方の荷物についていたネームタグを見て話しかけてきた。
『あなたたち、パリへ行ってきたの?』
確かに相方のネームタグはパリで買ったもので、
そのデザインはエッフェル塔で思いっきり"PARIS"と書かれているものだった。
『ああ、ちょっと前に行ってきました。』
『パリの街はどうだった?あそこは死ぬまでに1度は行ってみたい場所なの!』
正直パリの街に対してそこまでいい印象を持っていなかった私は、
自分の感想を率直に言うべきかどうか迷った。
『まぁいいとこだけど、ちょっと街は汚かったかな。』
そう答えを濁すとそのおばさんは、
『パリが汚いですって?そんなはずないわ!私がテレビで見たパリはとても綺麗な街だったわよ!』
そう言い始めた。
そのあともおばさんの行きたい国についての会話は続く。
やっと会話が途切れたと思ったら、
しばらくしたらおばさんの方からまた話しかけてくる。
『ところであなたたち、これからどこへ行くの?』
『ああ、どこっていうか、、空港です。』
レンタカー会社と言っても話がまたややこしくなりそうなので、
突っ込まれたら今から日本へ帰るという体で話を進めればいい、
と思い私はそう答えた。
すると、
『空港ですって!?これは空港と逆方向へ行くバス停よ!』
と言い始めるではないか。。
”まさか。こっちは天下のグーグルマップに従ってきているんだ、間違いはないはず。”
最初はそのおばさんのことを完全に信じることはできなかったが、
そのおばさんが周りの人に聞いてみるとここは間違いなく空港とは逆方向、
つまりはデトロイト市街地へ向かうバス停だということが判明。
『まじかよ!で、本当のバス停はどこなんだい?』
そう尋ねると、さっき乗り換えてきたバス停の方向を指差し、
『あっちだ。君らが乗り換えたバス停と同じところだから急いで戻りなさい。』
と言われた。
”そうだったのか。。”
それにしても、
もしこのおばさんに話しかけられなかったら間違いなくデトロイト行きのバスに乗り込んでしまい、完全なる逆戻りをしていただろう。
このおばさんが我々に話しかけてきてくれたこと、
さらに、そのおばさんの英語が聞き取りやすくて私でも会話を続けられたことにただただ感謝だ。
歩いて先ほど下車したバス停まで戻った。
正確にはそのバス停と同じ場所ではなく、
そこからまた数百メートルほど行ったところに空港行きのバス停はあった。
おそらく先ほどまでとは違うバス会社が運営する125番のバスを待つこと数十分。
待っている間、昼食として今朝買った1ドルポテトチップスを食べた。
バスが到着。
運転手に『これは乗り換え乗車である』ことを伝え、
1人25セント(約25円)を支払いバスに乗車した。
これは先ほど間違えたバス停で聞いた話なのだが、
最初の乗車時にトランスファーチケット(乗り換えチケット)を運転手からもらうと、
次の乗り換えバスにわずか25セントで乗車できるのだとという。
そんなことは知らずにトランスファーチケットなどもらわなかったので、
口頭でこれは乗り換えであることを伝えて許可を得たというわけだ。
よく考えてみると、
25番から19番に乗り換える時もこのトランスファーチケットをもらっていれば25セントで乗車できていたに違いない。
そうなると、宿から空港までわずか2ドル(約206円)で行けたことになる。
まあ、
そうじゃなくても今回我々が支払った総額は3.25ドル(約334円)ほどと激安なのだが。
125番のバスは空港のレンタカーシャトルバス乗り場で終点となる。
そこからは各レンタカー会社が運営している無料シャトルでレンタカー会社まで行く。
我々の場合ダラーレンタカーで車を手配していたので、
ダラーレンタカーのシャトル乗り場でそれを待った。
数分のうちにシャトルバスは来た。
乗り込んでから数分でダラーレンタカーに到着。
ネット予約していることを伝え、ここで契約の内容、料金を再度確認する。
ところが、、
ネット予約時に提示された金額が35日間で1730ドル(約178190円)に対し、
この時提示された金額はそれを大きく上回る2700ドル(約278100円)以上。
”なんだこれは、高すぎじゃないか?”
その値段にびっくり仰天した我々は、
『なぜこんなに高いのか?ネット予約時はこの料金だったんだけど。』
ということを担当スタッフに訴えた。
するとこれはフルカバーインシュランス、
つまり保険をフル装備させた場合の値段だという。
おかしい、、
私はネット予約時にらくらくプラン優待料金という保険込みの予約をしたはずなのだが。。
そう思いしばらく納得のいかない態度をとっていると、
スタッフの方からもっと安い料金を提示してきた。
『これが、フルカバーインシュランスじゃない値段よ。どっちにする?』
その差し出されたレシートには2402.88ドル(約266515円)と記されていた。
それでもまだ高すぎる。
しかしこの担当スタッフの様子からこの2つのどちらかだ、といった感が伺えたので、
渋々この約2400ドルの方で受け入れることにした。
ちなみにフルカバーインシュランスとの違いは、
24時間のロードサービスが付いているかどうか。
鍵の紛失に関する保険があるかないか。
と、主にその2点を言っていた。
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*追記*
後になって日本のダラーレンタカーに問い合わせてみた結果、
高くなっている理由が保険ではなく主に"乗捨て料金"によるものであることがわかった。
具体的に言うと、
デトロイト=サンフランシスコ間の乗捨てで500ドル、
空港税55.55ドル、
州税33.33ドル、
トータル588.88ドル
がレンタルとは別に請求されるということだった。
もう一つ。
35日間のレンタルを申し込んでいたにもかかわらず、
レシートを見ると請求は36日分だった。
しかもこれが5週間と1日という扱いになっていて、
その1日はエクストラの1日ということで86ドルという高額な料金を取られていた。
この件についてはダラーレンタカー側のシステムエラーということで返金された。
つまり、
最終的な35日間のレンタカー費用は2316.88ドル(約256941円)ということになった。
トランプ大統領誕生によるドル高騰後のレートで引き落とされたのが非常に痛い。。
(1ドル103円の時に申し込んだのに、1ドル110円くらいの時に計算されてた。。)
渋々料金に合意しカウンターでの手続きを終わらせたら、車選びに外へ出た。
予約していたのはトヨタカローラもしくはそれ同等クラスのミッドサイズ。
走行距離5000㎞は軽く超えると予想されるアメリカ大陸横断を目指すなら、
最安値であるコンパクトカーは避け、
せめてミッドサイズレベルの車を手配するのが好ましいだろう。
車選びにスタッフは同行せず、
自分たちで好きな車を選んで乗っていくという非常に開放的なスタイルだった。
この広大な駐車スペースのどこに我々が乗るべきミッドクラスの車が位置しているのか。。
全く見当がつかなかったのでその辺にいたスタッフに聞いてみると、
『あそこの茶色いやつからこっちのグレーのやつの間から好きなのを選べ。』
と、これまたなんとも開放的な案内をされた。
『KIA』に『現代』という韓国車が大部分を占める中、
唯一、NISSAN SENTRAという日本車が置いてあった。
韓国車の運転経験はなかったのでこの機会に運転してみたいという気持ちもあったが、
大陸横断という長丁場を考慮した結果、やはり乗り慣れている日本車を選択した。
燃費に関しても、
少なくとも日本車が韓国車を大きく下回ることはないだろう、
という安易な考えも影響していた。
早速運転席に着く。
私は日本にいる間セダンに乗っていたので、この座り心地に懐かしさを覚えた。
走行距離メーターや燃費メーターなどをリセットしたかったが、
なかなかやり方がわからず結局何もできないまま出発することとなった。
とりあえず表示されていた数字をメモしておいたが、
だいぶ走ってからこれは走行距離ではなく走行可能距離だということが判明しショックを受けることになる。
大陸横断をするなら、その正確な走行距離というのは是非とも測っておきたかったのに。。。
それにしても、
こんな放任主義的なレンタルシステムだったらもっとランクのいい車を持ち出してもバレないんじゃないか?
そう思ったが、さすがにレンタカー会社を出るところには門があり、
そこでレシートなどを見せて適切な車を持って行っているかなどのチェックが行われた。
ここで、
『外傷は確認したか?』と聞かれたのでその場で車を降りて外傷確認をした。
本来は確認をしてから車を発進させるべきなのだが、
いかんせんスタッフの同行がなかったのでそんなことはまったく眼中になかった。
さぁ。念願のレンタカーを手に入れ、ついに憧れだったアメリカ横断の旅が始まった。
まず最初に向かうのは、
デトロイトにいてエミネム好きなら絶対に訪れておきたい『8マイルロード』。
▼後半へ続く(8マイルロードをドライブ)
▼アメリカ横断まとめ【完全版】