私の思い出の地、アメリカテキサス州ヒューストン。
およそ6年半前に訪れた時と同じ宿、スーパー8モーテルにあえて宿泊し、これまでの疲れと汚れを取り除く。
宿泊施設でちゃんとした温水シャワーを浴びるのはマイアミ以来、実に5日ぶり。
あんなにシャワーが気持ちよく感じることもそうない。
溜まっていた洗濯も文明の利器、洗濯機で一気に済ませ、夕食まで宿でゆっくり過ごした。
夕食にはテキサスといえばのでっかいステーキを食べに行く予定。
夜がまちどうしい。。
▼前回の記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
日も暮れてきて、18時50分ごろ。
テキサスといえばステーキ。
ということで、ヒューストンで有名なステーキレストランへ晩飯を食べに出かけた。
お値段が張るのは覚悟の上での決断だ。
何軒か候補がある中、
『TASTE OF TEXAS』(テイスト・オブ・テキサス)
というレストランをチョイス。
店の外の待合にはすでに行列ができていた。
とりあえず受付で名前を伝えると、このような紙を渡してくれた。
受付番号と現在の時間とおおよその待ち時間が書かれている。
受付番号は130番、午後7時20分に受付し、待ち時間はおよそ60〜90分だということだ。
外に待合のベンチが用意されていて、
そこで確認できるモニターとアナウンスで自分の数字が呼ばれたら店内へ行きご案内というシステム。
待っている間、これらのドリンクが無料で飲み放題。
ものすごく粋な計らいなのだが、それらはすべて私の苦手な炭酸飲料。。
いまいちテンションが上がりきらなかったが、
せっかくなのでここテキサスに本社を構えるというドクターペッパーを一缶開けてちびちびと飲んだ。
待合はこんな感じ。
『テイストオブテキサスWi-Fi』
が飛んでいることに気がついた私は、受付へ行ってそのパスワードを聞いてみた。
すると受付嬢は、
『パスワードはあそこにいるオーナーが知っているからちょっと待ってて。』
と。
そこには映画『オーシャンズ・イレブン』に出てくるベラージオのオーナー、
テリー・ベネディクトのような風貌と雰囲気を持った、
いかにも敏腕そうなオーナーが他の人と会話をしていた。
しばらくして会話を終えたオーナーに受付嬢が近寄って行き、私の要望を伝えてくれた。
するとオーナーが右手を差し出しながら私の方へ歩いてきた。
”さすがは敏腕オーナー。どんなお客さんに対してもまずは握手からか。”
そう思い私も右手を差し出し彼との握手を構えるが、
どうも彼の手が私の右手の方に向いていないことに気がつく。。
その手は明らかに私の左手に向かってきていて、
その左手にはWi-Fiパスを欲している私のiPhoneが持たれていた。
『あっっ』
と思い少しフリーズ状態になると、
オーナーの手がさりげな〜く私の右手の方へ軌道修正してくるのに気がついた。
そしてそれに気づいた時には私の右手はオーナーに握られていて、
私とオーナーはガッチリと固い握手を交わしていた。
オーナーが歩いてきて私と握手をするまでの間わずか1、2秒足らず。
この短い間に上記の出来事が流れるように起こった。
オーナーは明らかに『そのiPhoneを貸して』という意味で手を差し伸べてきていた。。
その出来事に笑って対応してくれればいいものの、
『私は最初から握手を求めていましたよ』的な雰囲気を出し、
最後までポーカーフェイスを保ってWi-Fiパスを教えてくれた。
本人はうまくごまかしたつもりだろうが、
後ろでその様子を見てくすくすと笑っていた受付嬢の姿を私は見逃さなかった。
スポンサーリンク
20時ごろ。
結局40分ぐらい待っただけで席へ案内された。
ウェイトレスさんが英語で私に何か言っているようだが、全く聞き取れない。
おそらくこういった接客の場面では定番の『調子はどう?』みたいなことをあいさつとして言っているのだろうな、と推測し、
テキトーに『I'm good.』と返した。
しかし、この後ウェイトレスさんは苦笑いでこちらをちらっと見つめただけだった。
どうやら、見当はずれの返答をしてしまったみたいだ。。
席に着くとウェイトレスさんがメニューや店のシステムについての説明を始めた。
先ほどの『I'm good.』問題で私が英語を得意としていないことを察してくれたのか、
ウェイトレスさんは比較的わかりやすく説明してくれてた気がする。
そのおかげもあって、私はかろうじて大体の意味を理解する程度で彼女の会話についていけた。
”次は何という言葉が来るのか、、それをちゃんと聞き取れるだろうか、、それに対して上手く返せるだろうか、、、”
私はまるで平均台を歩くような気持ちでしばらく集中して説明を受けた。
オーダーの際、
このようなちゃんとしたレストランではウェイトレスさんがしっかり提案をしてくれる。
”そんなに提案してくれたらそれを頼まないと悪いかな、、”
と思ってしまうのは典型的な日本人マインドだろう。
その提案を必死に聞き取りながら、
キング・オブ・ステーキと説明書きされていた PORTER HOUSE STEAK(ポーターハウスステーキ)を1つオーダー。
それを2人でシェアすることにした。
そのデカさ、32オンス(約907g)。
そのお値段、税込64.84ドル(約6679円)。
それにこの店のステーキ以外の名物、
サラダバーを税込み12.92ドル(約1331円)で追加したので
トータルは77.76ドル(約8009円)。
1人約4000円。(プルプルプル。。。。)
しかもこれは、チップなしの状態だ。
ちなみにサラダバーは1つ頼めば2人とも利用できるということだった。
食材の質が高く、種類も豊富。
サラダバーのクオリティーは驚くほど高い。
サラダバーだけでお腹いっぱいになってしまいそうだが、この際先のことなど考えない。
私はステーキが来るまでの間ひたすらサラダバーを堪能した。
相方はここの自家製パンの味に惚れ込んでいた。
確かに、ここのパンはすごく美味しかった。
サラダバーを補充しがてらブッチャーも覗いてみた。
ここでは自分で肉を選んでそれを使用してもらうということができるらしい。
確かにウェイトレスさんに『肉を選びに行くか?』みたいなことを聞かれていたが、
とにかく英会話に必死だった私は『あなたに任せる。』と言ってその場をやりきっていいた。
『OK。ブッチャーはサラダバーの奥にあるから、よかったら見に行くといいわ。』
そうウェイトレスさんに言われたので見に来てみたわけだ。
店内は広く、たくさんのお客さんとスタッフで賑わっている。
ちょっと薄暗いがいい雰囲気だ。
スポンサーリンク
オーダーしてから30分ほど。
32オンスのポーターハウスステーキが登場。
ここは担当のウェイトレスさんではなく、専門のスタッフが目の前で切り分けてくれる。
デカイ!!
と、言いたいところだが、正直私が想像していたよりか小さい。。
半分にカットされ皿にとりわけられるとさらに小さくってしまった。。
本当にこれは32オンス(およそ907g)なのか?
ちょっとショックを受けながら考えてみると、
もしかしたら骨を含めて32オンスなのでは?、という考えが頭をよぎった。
確かにこれはTボーンステーキなので、骨だけで結構な重みになっているはず。
もしそうだとしたら説明に『これは骨込みの重量です』と記載しておいて欲しかった。。
片方はジューシーで柔らかく、片方はぎっしりした脂身の少ない肉質。
味は美味しいが、案の定このくらいの量ははペロリと完食してしまった。
『今までに食べたことのないバカでかいステーキが食べたい!』
そんな思いで来店した私にとって、これはちょっと期待ハズレだった。
ちなみに相方に取り分けられたステーキの大半は硬い肉質だったらしく、
歯に問題を抱えている相方にとってそれはお世辞にも満足のいくものではなかったらしい。
余った分のその硬い肉をもらったが、確かに私に取り分けてくれた肉よりも断然硬かった。
リブアイなど、他のメニューを頼むべきだったか。。
そんな物足りなさをしっかりとリカバーしてくれるのがこのサラダバー。
私はステーキを食べた後もサラダバーに通った。
私がまだサラダバーを食べている最中だというのに、
ウェイトレスさんは会計伝票をテーブルに持ってきた。
肉を食い終わったら早く帰れということか?
少し急ぎ目でサラダバーを食べ終え、いざ会計。
トータル77.76ドル(約8009円)に最低でも15%のチップをつけると
合計は89.42ドル(約9210円)。
最初はポーターハウスステーキ59.95ドルだけ注文して2人で分けて済ませようという計画だったのに、
税金、サラダバー、チップと、色々なおまけが付いてきて結局は89.42ドル。。
電卓からはじき出された数字に驚きを隠せなかったが、
サービスもよかったし、腹も一杯になったということで納得し、
キリよく90ドル(約9270円)をテーブルに置いて席を立った。
ちなみに、
このテイスト・オブ・テキサスに初めて来店したお客さんには、
カーボウイ風のテンガロンハットと赤いバンダナのコスチュームをその場で身につけて記念撮影をしてくれる。
タイミングとしては、ステーキを食べ終え会計伝票がテーブルに運ばれる前。
つまりは私が駄目押しのサラダバーをほうばっていた時だ。
この時にはもうすでに『いつまで食ってんだお前。』と思われていたかもしれない。。
テンガロンハットは回収されるが、赤いバンダナはプレゼントしてくれる。
さらに撮影した写真も簡単なメッセージ付きカードに入れられてプレゼントしてくれる。
待ちの間のジュースサービスといい、
とてもサービス精神に溢れるこの店の営業スタイルに感心した。
▼テイスト・オブ・テキサスのホームページ。メニューなど確認できる
2人とも腹一杯状態で宿に戻ったのは22時すぎごろだっただろうか。
相方はシャワーや着替えを済ますとベットに横たわりそのまま深い眠りについていた。
私は満腹状態で横になった時の感覚があまり好きではないので、
しばらくは椅子に座って時を過ごした。
本当、これだけ満腹になったら3日くらい何も食べなくてもいい状態になればいいのに。
今はもう何も入らない状態の胃袋でも、明日の昼くらいになったらまた何か食べたくなるんだよな。
食いだめができたらなぁ。。
そんなくだらないことを思いながら、
いつの間にか私も久々のふかふかベッドの上で眠りに落ちていた。
▼次回記事(テキサス最大の蚤の市へ)
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
▼あわせて読みたい