ネバダ州ラスベガスからカリフォルニア州の砂漠地帯にある
サルベーション・マウンテンまで車で目指してる我々。
日の入りまでにサルベーション・マウンテンに到着したいのだが、
出だしから同じ道を100㎞以上行ったり来たりするというドタバタぶりを見せつけ、
日の入りまでの到着はなかなか危うい状態になっている。
しかし、”諦めるのはまだ早い”、と、
とにかく先を急ぐことだけを考えて車を爆走中。
▼前回の記事
▼アメリカ横断まとめ【完全版】
13時40分。
しばらく何もない砂漠地帯を走っていたので、久しぶりのガソリンスタンドや飲食店が軒を連ねる町が現れた。
先ほどの反省を踏まえ、ここで一旦給油をしておくことに。
値段的にも1ガロン2.59ドル(約266円)と、
今朝の3.5ドルの法外価格に比べたら良心的。
ここで20ドル(約2060円)分で7.696ガロン(約29リットル)給油。
ほぼガソリン満タン状態にした。
ちなみにこの近くにはセブンイレブンやサークルケーなどのガソリンスタンドも存在していたが、
私が見た限りここのMobileがこの辺りでは最安値だった。
ガソリンを満タンにしたところで再び出発。
グーグルナビに従って進むと、
すぐに『JOSHUA TREE NATIONAL PARK(ジョシュアツリー国立公園)』という看板が現れ、
さらにそこを進むと料金所が現れた。
『こんにちはー。ここはなんですか?』
と私が料金所のスタッフに聞く。
『ここは国立公園よ。車1台で25ドルよ。』
とスタッフは答えた。
”25ドルだ?”
『いや、私たちはこの国立公園に用はないんだ。サルベーションマウンテンへ行くのにちょっと通らせてもらうだけだよ。』
と、国立公園には用はないことを伝えると、
『だから、25ドル払わないとここは通れないのよ。』
と返された。
今思うと当たり前である。
『マジかよ。じゃあここを通らずにサルベーションマウンテンへ行く方法ってあるんですか?』
『もちろん。今地図で説明してあげるわ。』
おそらく我々のようなお客さんは少なからず存在するのだろう。
料金所のおばちゃんは地図を取り出し、慣れた感じでサルベーション・マウンテンまでの道のりを説明してくれた。
そしておばちゃんが言うにはだいたい2時間くらいで到着できるという。
『そうか。ありがとう。じゃあその道で行ってみるよ。』
我々は元気良くUターンをかまし来た道を戻った。
グーグルマップを有料回避設定にしていたのだが、天下のグーグル先生もさすがに国立公園の料金までは頭になかったようだ。
おばちゃんに教えられた道は、
州道62号線とインターステイト10号線を使い、
このジョシュアツリー国立公園の西側半分をグルッと大回りしていくというものだった。
地図で見ると、これはかなりの遠回りである。
おばちゃんの言う通り本当に2時間で到着することができれば、
サルバーション・マウンテンには16時ごろ到着することになる。
それならギリギリ太陽はまだ沈んでいないだろう。
しかしこの遠回り具合と過去の経験から考えて、
こういう時は人の言う情報はあまり鵜呑みにしない方がいい。
つまり、なるべく急いで運転しなくてはならないことに変わりはないのだ。
途中、大統領選で何かと話題になっているドナルド・トランプの何かが道端で行われていた。
このような集まりはアメリカ横断中何度か見かける。
最初はトランプ反対デモかと思ったが、よく見るとそれは逆で、
トランプ氏に清き一票を、的な雰囲気の集まりだった。
トランプさんに関する道路沿いの集まりはよく見るけど、
ヒラリー・クリントンに関するものはまったく見かけていないなぁ。
州道62号線からインターステイト10号線に乗り換えた。
こうなると、車の速度は一気に上がる。
今まで以上にハイウェイを吹っ飛ばし、大体の車をビュンビュンと抜き去っていく。
10号線を降りた後も右手に見える大きく美しいソルトン湖などにはほとんど目もくれず、ただひたすらアクセルを吹かし続ける。
相方はジェットコースターに乗っている気分になって助手席でプルプルしていたらしい。
今振り返ると、警察に捕まったり事故ったりしなくて本当に良かった。
スポンサーリンク
そして16時00分ちょうど。
何もない砂漠の中についにおっちゃんが作った謎のアート
『サルバーション・マウンテン』が現れた。
爆走兄弟レッツ&ゴーばりの激走が功を奏し、何とか日の入りまでに間に合った。
この激走っぷりでジョシュアツリー国立公園からサルベーション・マウンテンまでちょうど2時間だったので、
やはり普通に走っていたら2時間30分は絶対にかかっていたな。
やはり料金所のおばちゃんの言うことを鵜呑みにしなくて正解だった。
サルベーションマウンテンはキリスト教信者のレオナード・ナイトというおっちゃん(今ではおじいちゃんかな)が30年の歳月を注ぎ込んで作り上げたカラフルな丘型アート。
なんでも、ある日突然『GOD IS LOVE』という啓示を受けたらしく、
その後宗教的メッセージを書いた気球を打ち上げるために1980年代にこの地に来たらしい。
しかし結局気球は断念して、
その代わりにこの宗教的メッセージが書かれた丘を作ることにしたのらしい。
ちなみに、『サルベーション・マウンテン』を直訳すると『救済の山』という意味になる。
我々が到着した時には観光客は我々を含め3組しかいなかった。
まぁ、場所が場所だしそんなに人でごった返すようなことはないんじゃないかな。
ちなみに他の2組はともにカップルだったのだが(中国系カップルとラテン系カップル)、
登ってはいけないとこに平気で登って写真撮影をしていた。
何ってマナーが悪いんだ。
しばらくすると隅にある小屋からおじさんが出てきて注意をしていた。
そりゃ怒られて当然だろ。
ちなみにこのおじさんはサルベーション・マウンテンの作者であるレオナード・ナイトさんではなく、
ここを管理しているボランティアのおじさん。
今ではレナード・ニモイ レオナード・ナイトさんはもう引退されたらしく、
サルベーションマウンテンはこのようなボランティアの人によって管理されているという。
このボランティアのおじさん、
出てきた時に声をかければサルベーション・マウンテンを優しくガイドしてくれるという。
もし機会がある方は声をかけてみるといいだろう。
『GOD IS LOVE』
サルベーション・マウンテンにはこの文字がいたるところに描かれている。
なんとなくジョン・レノンを連想してしまうのは私だけだろうか。
サルベーション・マウンテンにいた猫を相方は気に入っていた。
サルベーション・マウンテンの内部。
手作り感が溢れ出す、ものすごくピースフルな空間。
登るのは禁止。
でもこの黄色い道を辿れば登ってもいいらしい。
もちろん登ってみる。
サルベーション・マウンテン頂上からの景色。
こうやってみてみると周りには本当に何もない。
すごい場所につくったなぁ。
その辺に停まっている車たちにもペイントが施されている。
日が暮れないうちに一度エントランスのところまで戻って看板を撮影。
オープン時間は日の出から日の入りまでというざっくりしたもの。
最後にもう一度黄色い道を渡り、サルベーション・マウンテンの頂上へ。
ここから見る夕日が綺麗だった。
ここまでたどり着くまでかなりドタバタしたが、なんだかんだこの時間帯に到着するのがベストだったような気がする。
明るい景色も見れたし、こうやって綺麗な夕日も見れたし。
やはりラスベガスから起こった負の連鎖からは脱出して正の連鎖が起こっているのかな。
スポンサーリンク
17時ごろ。
日も沈み、辺りも薄暗くなってきたのを合図に我々は車に乗り込んだ。
日の入りはサルバベーション・マウンテンの閉園時間だ。
行きの激走っぷりが嘘のように帰りはどんどん後続車から追い抜かれ、
1に安全、2に燃費重視運転で来た道をゆっくり走行した。
左手に見える大きくて美しいソルトン湖とその背景の美しい夕焼け空を笑顔で鑑賞するゆとりだってある。
そういえばサルベーション・マウンテンの周りには何もないというが、
車で10分ぐらい走ったところにモーテルみたいなのがあった。
なので無理に弾丸観光をしなくてもそこに泊まってゆったりとゆとりのあるサルベーション・マウンテン観光をすることも可能だと思う。
17時10分ごろ、検問所。
これはメキシコ国境が近いがためのもので、
我々のようなアメリカ国内だけを旅行している者にとっては何も怯える必要のない検問所だ。
こうやって冷静でいられるのも、
かつてメキシコ国境の町エルパソからモニュメントバレーへ北上する際に同じ類の検問をすでに経験しているからだ。
予想通り、
我々はパスポートを見せて、どこから来たかとこれからの行き先を聞かれるだけという簡単な検問でそこを通過することができた。
19時。
インターステイト10号線沿いにあったJack in the box(ジャック・イン・ザ・ボックス)というファストフード店に訪れた。
ジャック・イン・ザ・ボックスでメシを食うのはこれが初めて。
私はバーガー、ポテト、ドリンクのお得セットみたいなのを5.39ドル(約555円)で購入。
うん。味はなかなか美味しい。
これを機にアメリカのファストフード店巡りをするのも悪くないな、と思い始めた。
もうアメリカ横断の旅も終盤に差し掛かっているというのに。。
ここのドリンクバーのマシーンは最先端でスマートだった。
タッチパネルで飲みたい飲み物を選択して、唯一のボタンである給水ボタンでジュースを補充。
珍しくて楽しいのはいいが、
何のドリンクがあるのか探すのに時間がかかるし、
これ1台しかないからピーク時には混雑が予想されるだろう。
それにこれだと操作数が増えて手間がかかるので、
おかわりをもらいに行くのにちょっと行きづらさがある。
周りのネイティブの動きを観察すると、やはり皆さんおかわりを注ぎに行っている様子だったので、我々も安心しておかわりを注ぎに行けた。
本当に、
アメリカ(カナダもかな?)のファストフード店のドリンクは実質飲み放題状態。
これ、料金が高いラージサイズを飲んでいる人もよくいるけど、
マジでどういう気持ちでラージサイズを購入しているんだろう?
『わざわざおかわりを注ぎに行くのも面倒臭いわ』
という究極の肥満思考にでもなっちまってるのか?
サルベーション・マウンテンの後の進路を、
南西方向にあるメキシコ国境に近い町サンディエゴにするか、
北西方向にあるアメリカ西の巨人ロサンゼルスにするかで迷った。
熟考を重ねた結果、
今回サンディエゴはスルーしてロサンゼルスへ向かうことにした。
そして21時。
今夜の寝床とするべく到着したのはロサンゼルス東側にあった、毎度おなじみウォルマート。
しかしここのウォルマートでは車中泊ができなさそうという雰囲気をなんとなく感じ取ったので、
トイレとネット接続を済ませたらすぐにこのウォルマートを出て他の宿泊地を探しながらロサンゼルス中心地方向へ車を走らせた。
実際車中泊しても特に問題はないと思うのだが、この時はよくわからない何かを感じ取ったのだと思う。
なかなか車中泊ができそうな場所を見つけられないままロサンゼルス中心部を通過。
摩天楼が綺麗だ。
そしてついにロスの西端、太平洋沿いの町サンタモニカまでやってきてしまった。。
もうこれ以上西には行けないぞ。
というか、
この瞬間我々は一応アメリカ横断という目標は達成してしまったことになる。
なんともあっけない。。
それはそうと、今夜どこに泊まるかだ。
とりあえずサンタモニカの町を軽く車で流し、
テキトーに見つけたバーガーキングの駐車場へ侵入し、
雰囲気的にいけそうだったのでここを今夜の宿泊地とすることに決めた。
この時だいたい23時ごろ。
ラスベガスからサルベーション・マウンテン、
さらにはサルベーション・マウンテンからサンタモニカまで
本日の走行距離は520マイル(約832㎞)。
行ったり来たりしたところもあるので
実際はもう100㎞弱くらいは余分に走っているだろう。
約1000㎞という長距離運転(しかも前半は時間に追われながら)でたっぷりと疲労を溜め込んでいたこともあり、
その後すぐにぐっすりと眠りにつくことができた。
▼アメリカ横断28日目までのルート★
デトロイト→シカゴ→ナッシュビル→アトランタ→ウォルトディズニーワールド(オーランド)→マイアミ→キーウェスト→ニューオリンズ→ヒューストン→ダラス→エルパソ→モニュメントバレー→ページ(アンテロープ・キャニオン)→グランドキャニオン→ラスベガス→サルベーションマウンテン→サンタモニカのバーガーキングで車中泊(一応横断完了)。
▼次回記事(サンタモニカ観光)
▼アメリカ横断まとめ【完全版】