アンテロープ・キャニオン観光のため、
現在アリゾナ州のページという周辺の町に滞在している。
この期間、このページの町では『バルーンフェスティバル(気球打ち上げ祭り)』が開催されるらしい。
偶然この期間にページにきてしまった我々。
せっかくなのでバルーンフェスを見に行ってみることに。
朝6時前に起床し気球打ち上げ会場へと向かった。
世界的にも有名なアルバカーキでの気球フェスに行きそびれてしまった悔しさをここで晴らす。
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朝6時。外はまだ真っ暗。
出発前、まずは無料の朝食をいただきに受付の棟に行く。
トースト、シリアル、カップケーキなどの他に、ゆで卵が用意されているのが特徴的。
昨日受付のスタッフの人に聞いた話だと、
宿前のメイン通りをずーっと行ったところに気球打ち上げ会場はある、
ということだった。
しかしメイン通りをまっすぐ行ってみてもなかなかそれらしい会場は見当たらない。
何度か同じところをグルグルとした後、人がたくさん集まっているところを発見。
その流れに乗っかり開店前のスーパーの駐車場に車を停めた。
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どうやらこのスーパーの目の前にあるゴルフ場が会場のようだ。
そこには既に多くの人が集まっていて、
オフィシャルグッズを販売したりコーヒーを飲みながら会話を楽しんだりしていた。
ここに集まった人たちからは地元民オーラがバンバン出ている。
つまりはこれは生粋のぺージっ子の集いということだ。
そん中に飛び込んでしまった我々は異邦人。
はたから見たら『なんだこいつら?』といった感じに見えていただろうか?
アンテロープ・キャニオンを見に来ている日本人が何人かいてもおかしくなさそうだったが、
ここには日本人は愚か、韓国や中国などのアジア系は我々以外皆無だった。
7時10分ごろ。
村長か町長か市長か知らないが、ページの長とみられる者が車の荷台に登り演説を始め出した。
ページっ子たちは長の周りに集まり、その演説を傾聴する。
『今日はあいにくの曇り空となりましたが、皆の思いをこの気球に乗せ、この曇り空を気球空に変えてやりましょう。』
と、運動会の校長先生的な挨拶をかます町長に、ところどころ民衆たちから拍手と歓声が送られる。
『空港の方へは行かないように』
などの注意事項をいくつか喋ったら、町長はマイクを置いて舞台を降りた。
この小さな町に空港なんてあったんだ。。
町長のあいさつで士気が高まったところだが、その後すぐに準備が始まる様子はない。
その間、無料のホットコーヒーやホットココアを飲みながらゴルフ場内をうろちょろした。
朝のページは冷え込んでいるため、体を動かさないとなかなか寒いのだ。
ページではお湯は『 HOT H2O 』と書くようだ。
7時30分ごろ。
雲の間からご来光。
ゴルフ場でご来光を拝むのは人生初だ。
7時50分ごろ。
ようやく気球の準備が活発になってきた。
さては日が昇って明るくなるのを待っていたな。
”だったらこんなに早くから集まらなくてもよかったじゃないか?”
とも思ったが、これはページのネンイチビッグイベント。
町民同士が一同に会すことなどそうないだろうから、
そりゃ朝早くから張り切って会場入りしちゃうよな。
まずは気球に空気を入れて膨らませていく作業。
膨らんできた気球の中身を必死に撮り歩いている人が目立っていた。
ある程度膨らんできたら気球が立ってくる。
勢いよく気球が立って、変な方へ飛んで行かないようにロープを引っ張り気球を安定させる。
力仕事は男であるお父さんと息子たち。
娘たちは後ろで見守っている。
なかなか素晴らしい光景じゃないか。
ゴルフ場内を走り回り、それぞれデザインの違う気球たちの準備を見学。
そしてカメラのシャッターを切りまくっていた。
だいたいの気球が立ち上がってきて、いつ飛び立ってもおかしくない状態に。
打ち上げ前は家族やチームで記念撮影。
ってかこれ、家族全員ぎゅーぎゅー詰めで飛び立つのか?
気球って案外乗るスペース狭いんだな。
よく考えたら、こんなにまじまじと気球を見るのは私の人生初な気がする。
特に合図があるわけでもなく、準備が完了したチームから順に空へ飛び立っていく。
どんどんと空へ飛び立ていくので、我々も慌てて近くにある岩の丘へ向かった。
サボテンが普通に生えていて、野うさぎが飛び回る荒野の道無き道を通り丘まで歩く。
(私は走る。)
ここでも元クライマーの本領発揮。
ここ最近岩に触れる機会が多いので嬉しそうだ。
何十もの気球が各々空に散らばっていく。
その光景には"フリーダム"という言葉がよく合う。
何機かの気球は我々の目の前を通り過ぎて行ってくれて迫力満点だった。
気球はそれぞれデザインが異なり個性があるので、それを見ているだけで楽しめる。
そんな気球の光景を見ながら、
『曇りではなく、空がパーっと晴れ渡っていたらこの何十倍もよかったのに、、』
と、相方と口を揃えた。
それでも生まれて初めて見る気球の群れに私は魅了された。
これはいつか、もっとデカい規模のアルバカーキの気球フェスにも行ってみたいな、
と強く思った。
”晴れろ〜晴れろ〜”
と思っていたら、やっと雲が晴れてきて青空が広がり始めた。
しかしこの時にはほとんどの気球はすでに飛び立っていて、
肉眼では豆粒程度にしか見えないくらい遠くかなたへと飛び去ってしまっていた。
あと1時間遅く開催していれば。。
町民の張り切りようが裏目に出たか。。
9時10分。
この後アンテロープ・キャニオンへ行くことを考えるとあまりゆっくりとはしていられない。
キリを見て丘を降りゴルフ場へ戻った。
元クライマーの相方は登るのは得意だが下るのは苦手らしい。
(これが坂道になると、上りに弱く下に強くなる)
すっかり気球に魅了されてしまった私は、
今朝売られていたフェスのオフィシャルTシャツの購入を決めていた。
しかし、グッズ売り場のテントのところを見てみると、何も置いていない。
というか、誰もいない。。
”なぜだ。少ないけど気球はまだ飛んでるぜ?いくらなんでも撤収するには早すぎやしないか?”
せめて誰かいてくれたら『グッズはまだ手に入るか?』と聞くことができるのに。
落胆する私に相方は
『近くのパウエル湖でボート大会みたいなのもやってるみたいやから、きっとそっちにも売ってるよ。』
と声をかけ励ましてくれる。
『そうだな。じゃあアンテロープ・キャニオンを見終わったらそのパウエルことやらへ行ってみっか。』
と、とりあえず私は元気を取り戻した。
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9時30分。
宿に戻り、朝食のコーヒーをもう1度いただき、
部屋に戻りシャワーを浴びチェックアウトの準備をする。
10時。
私はシャワーを浴びた後、
”もしかしたらTシャツは出店(でみせ)エリアに売っているかもしれない。”
と思い、その出店エリアへ赴いた。
しかしザーッと見た感じ、
今朝見たようなホースシューベンドと気球のデザインが背中の部分にプリントされたオフィシャルTシャツは見当たらない。
1軒だけ気球がプリントされたTシャツを売る店を発見したが、
そこのデザインはクソダサいもので、しかもなぜか『コカコーラ』のロゴがプリントされている。
『気球とホースシューベンドがプリントされたオフィシャルTシャツを探してるんだが。』
と、私はその店のおばちゃんに聞いてみた。
『うちにはオフィシャルTシャツは置いてないよ。』
『そうか。じゃあどこで売ってるか知ってるかい?』
『さぁねぇ。わかんないわ。』
結局、Tシャツに関する有力な情報すら手に入れることができずに宿へ戻った。
こうなったら、本当にパウエル湖でのボート大会に期待するしかない。
その前にまず、ここへ来た最大の目的であるアンテロープキャニオンを楽しんでこよう。
〜後半へ続く(アンテロープキャニオン散策)〜
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