8泊もお世話になったグアテマラ、サンペドロの日本人宿『カサ・デ・カモモシ』をついにチェックアウト。
6部屋しかなく、長期滞在をする人が多いので『予約が取れない宿』とも言われているらしい。
実際、我々が滞在している時にも空室待ちの宿泊希望者が見学に訪れていた。
スペイン語留学をするわけでもなく長居していた我々。
後ろにつっかえているであろう空室待ちの方々に『お待たせしました。』と言いたい。
(1ケツァール=約15円、 1メキシコペソ=約5.8円 2016年12月。)
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朝5時起床。
久しぶりのパッキングを済ませ、5時30分には宿を出る。
早朝にもかかわらずオーナーが見送りに出てきてくれた。
約1週間、お世話になりました。
長い坂道を下り、港へ。
やはり上りより下りの方が楽だ。
こんな朝早くから、路上販売の準備をする町の人々。
そんな様子を横目に港を目指す。
相方はここでオスプレイに引っ掛けて乾かしていた靴下を1足落としなくす。
5時45分、港に到着。
とりあえず、この船で向こう岸のパナハッチェルという町まで行く。
荷物を船に乗せ、定刻まで待機。
その時隣に座っていた欧米人に、
『あなたたち、サンクリストバル行き?そのチケット、いくらで買ったの?』
と聞かれた。
嫌な予感がしたので正直に答えようか一瞬迷ったが、
『150ケツァールだよ。』
と、結局正直に答えた。
『それは船代込みで?』
『そうだよ。』
『オーマイガー。私のはもっと高いのよ。どこでチケット買ったの?』
『私たちが泊まっていた宿で取ったよ。』
『OK、ありがと。旅行会社に値段を下げるように言わなきゃ。』
その欧米人がいくらと言っていたか忘れてしまったが、確かにそれは我々の価格より高かった。
しかもこの船代も含まれていないという。
そして、私の嫌な予感は的中したってわけだ。
この後色々面倒くさいのに巻き込まれなきゃいいけど。。
5時50分ごろボートに乗り込み、全員揃ったら出発。
移動中、ちょうど朝日が昇ってきて非常に綺麗な朝焼けを見ることができた。
懸念していた船酔いも起こらずに済んだ。
とはいえ、
スピードに乗ったボートは上下に激しく揺れるので、酔いやすい人は気をつけたほうがいいだろう。
6時30分。
パナハッチェル着。
これぞ火山って形の火山が綺麗に見える。
コスタリカのラ・フォルトゥナでのリベンジをここで果たしたような感覚だ。
ボートを降りてまっすぐ進んだところで、バンが来るまで待機。
案の定この時、先ほどの欧米人が旅行会社の人を捕まえて色々と文句を言っていた。
『あの子たちは150でチケットを買ったと言っていたわ。しかもボート代込みよ。どういうことなの。』
欧米人は強い。
我々はなるべく知らんぷりをしていたが、
旅行会社の人が我々のところへやってきて『どこでチケットを買ったんだ?』と聞いてきた。
”うわー、マジめんどくせぇ。。”
と思いつつ、
『宿でとったんだよ。』
と答えた。
幸いにも旅行会社の人はあまり多くを聞かず、チケットだけ確認してまた文句を言っている欧米人の方へ戻っていった。
たぶんあの雰囲気を見る感じ欧米人の勝ちのようだったな。
交渉次第で人によって値段が違うということはこういう地域ではよくあることなのに。。
この時はちょっと旅行会社の人に同情してしまった。
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6時40分。
メキシコのサンクリ行きのバンが到着。
何台か到着して、それぞれのバンのスタッフが名前を呼ぶので呼ばれたバンに乗り込む。
たぶん旅行会社ごとに分かれているのだろう。
ちなみに我々はその文句を言っていた欧米人とは違うバンだった。
まさか違う旅行会社だったとは、ますます申し訳ない気持ちになってしまう。
バンに乗り込み出発。
朝食がてら昨日サンペドロで買っておいた1ケツァール(約15円)のパンを食べる。
8時45分。
ガソリン給油休憩。
喉が渇いたので、アロエキングとかいうジュースを15ケツァール(約240円)で購入。
ここのガソスタの売店の物価は高めだった。
いつもなら絶対買わない値段だが、余っているケツァールを消費するためにもこれを購入した。
11時40分ごろ、グアテマラとメキシコの国境に到着。
ここまでの道のりは最悪な道だった。。
ぐねぐね山道に加えて、
なぜか100メートルおきくらいの間隔で減速帯(スピードバンプ)が設置され続けていて、そこを通る時にいちいち跳ねる。
おまけにドライバーは運転が下手くそで、
バンプが近づくと急ブレーキ、バンプを超えると急発進を繰り返すので、上下だけでなく前後にもグラグラ揺れる。
居眠りをしていた私もさすがに起こされ、
さらにはあまりにも長距離にわたりバンプが設置され続けていたためとうとう酔い始めてきてしまった。
最近鼻づまり気味で、鼻でうまく息ができない&鼻水をずるずる吸ってしまうのも気持ち悪さに拍車をかける。
バンプの多さと運転の下手くそさにもイライラしてくる。
もうとにかく最悪な悪路だった。
国境ではグアテマラケツァールからメキシコペソへの両替商がたくさんうろちょろしていた。
グアテマラ側の出国手続きを余裕で済ませ、歩いて国境をくぐる。
しかも全荷物を持って。
どうやらメキシコからはまた違うバンに乗り換えてサンクリを目指すのだという。
ドライバーも変わるらしく、そのドライバーの先導で新たなバンを目指す。
そのドライバーは非常に温厚で優しそうな見た目。
もっとマシな運転をする人だといいな、と、心の中で密かに期待した。
メキシコ側のバンまで結構歩いた。
なんでこんなところで待機してんだよ?って所でバンは待機していた。
ここでドライバーがバンの屋根に乗り全員の荷物を積み込むのだが、
一人じゃなかなかスムーズに荷物を受け取れないのか急に『YOU!!』と言って私を指名してきた。
続いて『ちょっと荷物を上にのせるのを手伝ってくれないか?』と言われる。
”なんで俺なんだ!?”
と思い周りを見渡すと、私以外ここにいる人は全員女性。
これはもう仕方がない。
引っ越し屋で培った物を運ぶ力を存分に発揮し、みなさんの荷物をひょいひょい屋根の上のドライバーに渡していく。
ひょろっとした見かけの割になかなかパワーがあるじゃないか、
的な雰囲気が周りには漂っていてちょっと嬉しかった。
そのうち体格のいい欧米人男性が到着し、荷物上げを手伝ってくれた。
”この作業、2人もいらないな”、
と感じた私はその場からフェイドアウトし、しれーっとその欧米人男性と役目を交代した。
あとは頼んだぞ、体格のいい欧米人。
12時50分。
バンを乗り換えてわずか30分ほどでバンは停車。
そうか、メキシコの入国審査のことすっかり忘れていた。
列に並び、順番に入国審査所に入る。
入国審査用紙を記入し、パスポートを出し無事入国審査を通過。
賄賂など特になく、お金は1ペソたりとも払っていない。
入国審査用紙を記入している時、
イスラエル出身という女子2人組が、入国審査用紙に何と書かれているのかをやたら我々に聞いてきた。
しかも英語で。
ちなみに入国審査用紙に書いてある文字は全てスペイン語と英語。
『これは何って書いてあるの?』と英語で聞かれ、『メキシコでの滞在先だよ。』と英語で答える。
『じゃあこれは何?』→『何で入国するかだよ。私たちの場合、バスだよ。』
そんな感じで、ほぼ一つ一つの項目について英語で質問をしてくる。
”この子たちはさっきも欧米人と英語で会話していたし、我々よりもずっと英語ができるはずなのに何でこんな簡単な英語が読めないんだ?”
と不思議に思ったが、もしかしたら英会話はできるが文字が読めないということなのかな?
いや、たぶんそうなんだろう。
英語喋れるのにこんな簡単な文字も読めない。
日本からしたら信じられないような話だが、これがイスラエルの教育事情なのか?
それともこの人たちが特別なのか?
どちらにせよ、
字は読めるけど会話が全くできないという日本人とは正反対の人たちとこういうやりとりをしたのは、少し興味深い経験だった。
しばらく休憩ということだったので、昨日買っておいたパンと今日買ったジュースを食べ昼ごはんとする。
目の前のホテルでトイレにもいける。(有料)
そしてそのホテルの横に売店があるので、そこで何か食べ物を購入することもできる。
食事を取り終えしばらく時間が経ったはずなのに、なかなか出発の気配がない。
どうやら同じバンに乗っていたコロンビアかどっかからの旅行者がビザを持っていないということで入国できない、というトラブルに見舞われているみたいだ。
それはおばちゃん3人と、若い娘の4人組。
おそらくお母さんと娘とそのおばさんたちとでクリスマス旅行にでも来ていたのだろう、と勝手に予想する。
結局その人たちは入国を許されず、国境で置き去り状態でバンは出発。
一応バンに向けてバイバイと手を振っていたが、その手は腹の辺りで小さく振られていた。
特に娘が泣きそうなくらい落ち込んだ表情をしていて、国境に置き去りにされる虚しさがこれでもかと言わんばかりににじみ出ていた。
せっかくのクリスマス旅行なのに(勝手な妄想)、残念だったな。。
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そんなこともあり、バンが再出発したのは14時近く。
遅れを取り戻そうとしているのか、温厚で優しそうなドライバーはバンをぶっ飛ばす。
ドライバーはその見た目とは裏腹、前に現れる遅い車を全力で煽り、すきあらば思いっきり反対車線に出て抜き去っていく。
”なかなかやるじゃないか。”
運転はうまいとは言えなかったが、道は舗装されていてバンプもなく、比較的まっすぐな道が続いたので酔うことはなかった。
グアテマラよりメキシコの方が道がいい。
15時ごろ。
またどっかに寄る。
今度はなんだよ?、と思ったが、どうやら今度は手荷物検査所のようだ。
”え、こんなところで?”
そこは結構ちゃんとした建物。
今までに経験がないことなので、ちょっと不安。
空港のように荷物を全て機械に通し、何もなければ荷物を受け取り再びバンへ。
なぜか私の荷物は検査に引っかかり、『開けなさい。』と言われ荷物を開け中身を出す。
結局何がダメだったのかわからなかったが、幸い何も没収されることなく検査を通過。
全く、てこずらせやがって。
バンに戻り再出発。
入国審査所も離れた場所にあるし、手荷物検査があるタイミングもおかしい。
まだ入ったばっかだが、メキシコはめんどくさい。。
〜後半へ続く〜(メキシコ1日目後半)
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