一緒のドミトリーで寝ているでっかい黒人と若い白人の雷のようにうるさいいびきに打たれ、今朝は5時ごろ目が覚めた。(覚まされた。)
途中その白人の男は目を覚まし静かになったが、引き続き黒人の方の雷は落ち続けた。
おそらくこのドミの人全員が一度はこの雷に打たれ目を覚ましたことだろう。
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7時になり、ようやく待望の朝食タイム。
この強烈な雷から逃れることができる。
朝食はハムとチーズのホットサンドが食べ放題で、フルーツも美味しいという嬉しいメニュー構成だった。
何度もお代わりをして、結構な時間朝食会場に居座った。
11時にチェックアウトし、外出したのは12時ごろ。
そういえば、
雷オヤジの黒人は目を覚ましていて自前のスピーカーで川のせせらぎ音を流しくつろいでいやがった。
いびきもそのせせらぎのような音にしてくれれば誰も迷惑しないのに。
宿の近所にあったここ『WASABI』という店では、比較的安い値段で寿司を中心とした日本食が売られていた。
今日最初の目的地は『The WALLECE COLLECTION(ウォレス・コレクション)』という美術館。
ここは入館料無料ということで訪れてみた。
後で知ったのだが、ロンドンは博物館や美術館の入館料が基本的に無料。
そうとは知らず、
『ここ無料だって!すごい!じゃあここ行こ!』といった感じでウォレス・コレクション行きを決めたので、特にここにすごいものがあるということではない。
もちろん、すごいものもあったのかもしれないが、あったとしても我々は全く気づかなかった。
入場したらまず左側のお土産コーナーみたいなところで荷物をクロークに預ける。
この美術館は貴族の屋敷がそのまま美術館になったらしく、
家の部屋が展示室となっている点は一般的な美術館と比べておもしろい。
中には美術品の他にも武器や陶器など様々なものが展示されていた。
おそらくお金を払えば英語の館内ツアーにも参加できる。
食器コーナーみたいなところにこんなグロテスクなお皿がいくつも展示されていた。
イギリス貴族はこんな気持ち悪い皿で食事をしていたというのか?
まずいで有名なイギリスの食文化だが、料理だけでなく食器にまでその文化が宿っていたとは。
それともまずい料理を少しでも美味しく見せるための引き立て役としてあえてこの皿を使用していたのか?
どちらにせよ、私はこんな皿で出された料理は、たとえそれが大好物のラーメンであったとしても、絶対に食べたくない。
随分と大きな部屋は当時の貴族の豊かさぶりを今に伝えてくれる。
ここには殺された動物の絵画が数多く展示されていた。
こんなものがたくさん並んでいるとさすがに気味が悪い。
もしこれすべてこの家に住んでいた貴族が集めたものだとしたら、
先ほどのグロテスクな皿といい、ここの貴族は相当趣味が悪かったのだろう。
ウォレス・コレクションを1時間ほど堪能し次に向かったのは
ハイド・パークという大きな公園。
16世紀にイングランド王ヘンリ−8世の狩猟場として買い付けたのがハイドパークの始まりだとか。
そのデカさはハンパなく、広さは625エーカー(約2.5km²)にもなるという。
くまのプーさんの住む森が100エーカーの森なので、なんとプーさんの森の6倍以上の大きさである。
逆にプーさん達の森って、このハイドパークの6分の1もの広さがあったのか。
小さなぬいぐるみたちにとってはさぞ広い森であろう。
ニューヨークのセントラルパーク(834エーカー)と肩を並べるほど大きいこのハイドパーク。
今ではロンドン市民の憩いの場となっているらしい。
この公園に来た理由は、
動物好きの相方が『公園内にはリスがいっぱいいて戯れることができる』という情報を仕入れていたからである。
それゆえ公園に行く途中にわざわざTESCO(スーパー)に寄って、
リスをおびき寄せるためのエサ(ピーナッツ)も購入した。
天気は晴れ。公園内の木々の中にはもう色づき始めているものもある。
リスがいなくともかなりいい雰囲気の公園だ。
適当に歩いていると早速リスを発見した。
リスはなかなか人にはなつかず、すばしっこい。
相方が仕入れた情報によると、
『たくさん寄ってきて手の上にも乗る』
などと言っていたが、そんな雰囲気は全くない。
むしろ我々が近づくと逃げてしまう。
しかしそんなちょっとやそっとでくじけることはなく、我々は別のリスを探し公園内をピーナッツ片手に徘徊した。
気づいたのだが、
リスはすでに口に栗のようなものをくわえていて、それをどこかに隠そうと走り回っている。
そのような状態の時にピーナッツを持って誘っても、口にくわえた栗が片付くまではあまり相手にしてくれないのだ。
栗をくわえたリスは、隠すところを誰にも見られないようキョロキョロしながら隠す場所を探している。
我々がずっと見ているとも知らずに。
(本当に生態的に誰にも見られないようにしているかは不明だが、その動きはそうしているようにしか見えない。)
ようやく隠し場所を決めたリスは勢いよく穴を掘り、そこにくわえていた栗を埋める。
掘った土や葉っぱで穴を塞ぎ、両手でペタペタ連打をして固め作業をする。
それが終わるとまた栗を探しにどこかへ走っていく。
ちなみにだが、
この時必死に隠した栗は、冬になるとほとんどのリスがそのありかを忘れてしまうのだそう。
なんとおつむの弱いリスたちだろうか。
しかしもっと調べてみると、
この忘れられた栗たちはそこからまた長い時間をかけて新たな栗の木へと成長していくのだそう。
つまりこのリスの忘れるという行為は、その時だけ見れば非常に頭の悪い行為に思えるが、
長い目で見れば未来のエサを増やしているということになるので決してバカにはできない行為といえる。
リスたちにそこまでの考えがあって隠し場所を忘れているかどうかはかなり疑問だが。。
何もくわえていない餌を探している最中のリスをロックオン。
ピーナッツのエサにリスをおびき寄せた。
しかしリスはなかなか警戒心が強く、一気に我々の方へはやってこず、じわりじわりと様子を見ながら距離を詰めてくる。
こうなったら持久戦。
こちらも辛抱強くリスが目の前まで来るのを待つ。
ピーナッツを真上に投げたりしてリスを少しずつおびき寄せ、やっと目の前までやってきた。
ピーナッツを取ろうとするリスをちょっとおちょくってやろうと、何度か空振りをさせてやった。
リスは何度か空振りしたあと私が持っていたピーナッツをサッと奪い取り、
すぐにUターンしてどっかへ走り去ってしまった。
どこかに隠しに行ったのだろうと思ったら、遠くで思いっきりガリガリとピーナッツをかじって食べているではないか。
なるほど。冬に備えるよりまず今の空腹を満たすことが先決ということか。
それはそうだな。
その後もリスハントを続けていた我々だが、私の方にはよくリスが寄ってくるのだが、
なぜか相方の方には全然寄ってこない。
私がおびき寄せておいて相方にその場を譲ったらリスが逃げてしまう。ということすらあった。
リスと遊びたいと張り切ってピーナッツまで買ったのに。。
ようやく相方の方にもリスが寄ってきたと思ったら、今度は鳩や犬がそれを妨害しにやってきた。
鳩がいるとリスが怯えてなかなか近くまでやってきてくれないし、
犬は突然どこからともなくリスを狙って走ってくる。
もちろんリスは驚いて一目散に木の上へと逃げてしまう。
なかなかリスにピーナッツを受け取ってもらえない相方は、
ついに自分でピーナッツをかじり始めていた。。
そんなことをしばらくやっていると、突然リスのおばさんが現れ、我々の方へ向かって何か話しかけてきた。
何を言っているのか理解できなかったが、『カモン』みたいなことを言っていると感じたのでとりあえずリスのおばさんの方へ近寄ってみる。
するとおばさんもエサを持っておりリスに与えていた。
そしてよく見ると、おばさんはリスに色々と話しかけている。
そうか、
先ほど我々に話しかけていると思ったのは、実は我々の近くにいたリスに話しかけていたのか。
そうなると、
せっかく我々が近くまでおびき寄せていたリスに向かって『カモン』と言い横取りをしてきたことになる。
なんってずうずうしいオバさんだ。
その後も我々を無視しリスにばかり話しかけるリスのおばさんに不気味さを感じた我々は、さーっとその場をからフェイドアウトしていった。
そんな不気味さもこの青い晴れ渡った空を見れば一気にどこかへ吹っ飛んでしまう。
いい天気の公園を散歩するのは気持ちが良い。
そのまま向かったのは公園を出てすぐのところにあったバッキンガム宮殿。
日本でいう皇居のようなもの(?)で、エリザベス女王は実際にこの宮殿を住まいとしている。
毎年7月末〜9月末までの間には一般入場も可能となっているらしい。
今回あえては観ようとはしなかったが、
4月から7月までは毎日1回、
他の月では2日に1回ずつ午前11時30分(日曜は10時)に衛兵交代式が行われる。
これは言わずと知れたイギリス観光の見どころなのだろうが、
一方でイギリス国内紙ですら『残念観光スポット』として酷評するほどのものだという。
そんな情報を聞いたことがあったので、我々はそこまでこの衛兵交代に執着心はなかった。
ところで今日から宿泊先はポルトガルのアゲダで出会ったロンドンでワーホリ中の日本人の方の家になる。
アゲダで少し話をしただけだったが、ロンドンに来た際は家に宿泊しても構わないというなんともありがたい言葉をいただいていた。
なのでその後ロンドン行きの日程の目処が立った際に連絡を取り、お宅へお邪魔することが決まったという流れだ。
その初日となるのが今日。
待ち合わせはStockwell駅という家の最寄駅に17時ということになっていた。
バッキンガム宮殿を後にしたのがだいたい15時少し前くらいだったので、
余裕を持って行動するだけの時間はあまりない。
こんなに天気がいいのだから昨日は曇り空が背景となってしまったビッグ・ベンを、今度は晴れ空背景で見て、さらに写真にも収めておきたい。
そう思って少し急ぎ目でビッグ・ベンのふもとあたりまで徒歩で向かった。
やはり晴れていると見るものの良さが全然違う。
昨日はただの観覧車にしか見えずそこらのお土産やさんにすら負けてしまっていたロンドン・アイも、晴れ空が背景だとなんだかかっこよく見える。
もちろんこのユニオンジャックをバンバンに使ったお土産やさんも 晴れ空の下だとレベルを上げている。
でも、所詮はやはりお土産やさん。
ロンドン・アイほどの伸び率はなく、今日のところはロンドン・アイに軍配が上がった。
これでロンドン観光名所としてのメンツが保たれたかに思われるロンドン・アイだが、
よく考えてみれば張り合う相手はそこらにある屋台のお土産屋さん。
ちょっとロンドン・アイがかわいそうなので1つ長所を加えておくと、
ロンドン・アイは夜になるとすごく綺麗にライトアップする。
高さは135メートルで、2006年まで世界最大の観覧車だったことも踏まえ、
総合的にはやはりロンドン・アイの方が強いということにしておこう。
クラーク・ケントでも出てきそうな電話ボックスだ。
ささっとビッグ・ベンなどを眺めた後は急いで宿に戻り、預けていた荷物を持ちロンドンブリッジ駅からストックウェル駅へ向かった。
ストックウェル駅は地下鉄のゾーン2に区分されるため、片道料金が2.9ポンド(約378円)となる。
ストックウェル駅に着き改札を出ると同時に、アゲダ以来数週間ぶりの再会となるYさんが現れた。
ドンピシャのタイミングだった。
彼の家は駅から徒歩3分くらい行ったところにあるアパートで、1つの物件の中に3つの個室と1つのキッチン、トイレ、シャワーがある。
そこを3人でシェアして住んでいる。まあ、いわゆるシェアハウスだ。
ルームメイトは、1人は日本人、もう一人は韓国人の男性だった。
部屋によって広さが違うらしいのだが、Yさんの部屋は大体7畳ほどだろうか。
そこに我々2人がお邪魔するとかなりスペースを使ってしまうので申し訳なかった。
それでも『気など使わないでください。』と言ってくれる彼は本当に優しい。
さらに我々が持っていった手土産とともに紅茶まで出してくれた。
19時前ごろ、10階の高さにある部屋からは綺麗な夕日が見れた。
Yさんは友人と食事の約束をしているらしかったので途中で外出。
我々は近くのスーパーで購入した食材を使い晩御飯を作った。
今晩の献立は肉なしポトフとスーパーのパン。
久しぶりに食べるポトフはやはり美味しかった。
それにしても、今日は1日いい天気だった。
ロンドンは雨のイメージが強いが、
降水量を見るとそれは東京のものをかなり下回るという。
『ロンドン=雨』というイメージというのは降水量ではなく、
1日のうち1回は天気が崩れることが多いという、その雨のまんべんなさにあるという。
この日は曇りにすらなず朝から晩までずっと晴れで、おそらくロンドンにしては珍しい1日だったのでは?
タイトルの『Sun is in the sky』というのは、
私の好きなUKシンガーLily Allen(リリー・アレン)が地元ロンドンについて歌った『LDN』という歌のサビ部分。
この言葉通り、今日は1日中太陽がロンドンの空にいて輝きを放っていた。
明日も今日みたく晴れ続けることを祈り、23時すぎごろ寝床についた。
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